どんな感染対策をしている?

どのような対策を行っても、感染のリスクがゼロになるわけではありません。複数の対策を重ねて講じることで、リスクをより「ゼロに近づける」ことが重要となります。

本稿では、4つの対策のうち「4.疑わしい時はすぐに対処」の具体的な内容をご紹介します。

職員に発熱や咳などの「かぜ症状」がある場合

職員ももちろん入館できません

PCR検査や抗原検査など様々な検査方法がありますが、いずれにしても検査を受けなければ、新型コロナウイルスの陽性・陰性は判断できません。

ハートライフ病院では、職員に新型コロナウイルス感染の疑わしい症状(発熱や咳などのかぜ症状)が出た場合には、勤務せずにすぐ検査を受ける体制を整えています。

「これくらい大丈夫」と勤務して、患者さんやほかの職員へ感染が拡大することを予防しています。

もし職員が検査で陽性になったら

万が一、検査を受けた職員が陽性だった場合は、速やかに接触歴のある人物を特定し、必要があれば隔離・検査を実施することで、周囲への感染の広がりをブロックします。

速やかに対応することで、職員間はもちろん、患者さんやご家族への感染リスクも低減できています。

隔離や検査の対象者はどのように決めている?

図1 陽性者との接触による隔離・検査の必要があるかのイメージ

上の図1は陽性者との接触具合により、隔離・検査の必要があるかを判断するイメージです。この図の例では、黄色の2名が「濃厚接触」または「濃厚接触の疑い」となり「隔離・検査対象」となっています。緑の4名は、「接触歴なし」か「必要な対策をしていた」ため、隔離・検査の対象外となります。

黄色の2名と緑の4名の違いは、「自分からうつらない、うつさない」の対策を徹底して実施していたかの違いです。もし黄色の2名も対策を講じていた場合、「濃厚接触」とはならないため緑に含まれていたはずです。

図2 濃厚接触が疑われる人が2名いた場合、さらに接触歴を調べます

濃厚接触となった2名は隔離・検査対象のため、上の図2のようにさらに接触者を調べます。万が一、黄色の中に陽性者がいた場合、さらにその先の接触者まで調査しなければなりません。下の図3のように感染症は芋づる式に増えていくので、「うつらない」、「うつさない」を徹底しています。

図3 対策が不十分だと芋ずる式に接触者・陽性者が増える結果に

ハートライフ病院では、感染拡大防止のために「濃厚接触」または「濃厚接触疑い」の職員は、陰性が確認できるまで自宅待機としています。もし芋づる式に自宅待機の職員が増え続けた場合、病院の機能縮小や機能停止の恐れがあります。もし、患者さんと接触していた場合は患者さんも隔離対象になります。

「うつらない」、「うつさない」取り組みは職員間の感染防止と同時に患者さんへの感染防止にもなっています。

ただし、いくら対策を講じても、やはり感染の確率がゼロになるわけではありませんので、ハートライフ病院では、隔離・検査対象とする黄色に区分する基準を、念のために厳しく設定して対応しています。この措置は、たとえ対策をしていても、毎日長い時間一緒に勤務するため、万が一の陽性者見落としリスクを回避するためです。