胃癌の生存率 2018年

対象期間 2011年1月1日~2017年12月31日
観察終了日 2018年8月31日
予後調査 来院情報
  他施設照会
  衛生環境研究所からの予後情報
生存率算出方法 カプランマイヤー法(実測生存率)
全症例数 183名
  男:126 女:57
男女比 2.2 : 1
平均年齢 71.8歳
Stage判明率 99.5%
消息不明数 16
消息判明率 91.3%
病期別   症例数 死亡数 3年生存率 5年生存率
ⅠA 73 9 95.0% 90.7%
ⅠB 27 12 87.5% 65.6%
25 9 69.5% 51.5%
17 12 21.5% 21.5%
40 37 8.7% 5.8%
全症例 ⅠA~Ⅳ 182 79 58.0% 50.0%

【解説】
胃癌病期ⅠA期死亡者9名は、他疾患にて3名死亡、死因不明6名。
ⅠB期死亡者12名は、原疾患1名、他疾患4名、死因不明7名。
Ⅱ期死亡者9名は原疾患4名、他疾患2名、死因不明3名。
Ⅲ期死亡者12名は原疾患7名、他疾患3名、死因不明2名。
Ⅳ期死亡者37名は原疾患24名、他疾患3名、死因不明10名となっております。
※死因不明は院外での死亡の為、死因判明出来ませんでした。

①胃癌の男女別年齢階級グラフ

【解説】

2017年の我が国における悪性腫瘍死亡率の中で胃癌の占める割合は、男性2位、女性4位と今日においても胃癌は主要な悪性疾患の一つです。

罹患率と死亡率は男性の方が女性より高く、年齢別に見ると40代では男女比は小さく、50代前半より差が開きます。平均年齢は71.8歳で、男性では60代前半が最も多く、次いで60代後半、70代前半となっております。

女性では、70代後半が最も多く次いで80代後半となっております。

②胃癌の男女割合

【解説】

当院の患者さんの男女比は2.2:1となっております。全国的にも男性が女性の2倍あると言われており当院も同様の結果でした。

③胃癌 ステージ別件数

【解説】

癌の進行の程度は「病期(ステージ)」として分類します。病期はローマ数字を使って表記することが一般的です。

病期は、癌が胃の壁の中にどのくらいもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器へ転移があるかどうかによって決まります。ⅠA期が最も早期の状態であり、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳ期の順で進行していきます。

近年、胃癌の早期発見の必要性の認識が高まったことにより、健康診断や病院で胃の検査を受ける方が増え、早期の段階で胃癌が見つかることは珍しくなく、当院では、癌の深さが粘膜下層までで、転移、リンパ節転移のない早期癌ステージⅠA期が、182件中73件と1番多く、全体の40%を占めております。

しかし、いまだにⅣ期で発見される症例も40例(22%)と多く、健診やドックをもっと啓蒙する必要があります。

④胃癌(病期別)のカプランマイヤー(生存曲線)

【解説】

胃癌の病期別生存率を見てみますと、ⅠA期で3年生存率95.0%、5年生存率90.7%。

ⅠB期で3年生存率87.5%、5年生存率65.6%。

Ⅱ期で3年生存率69.5%、5年生存率51.5%。

Ⅲ期で3年生存率21.5%、5年生存率21.5%。

Ⅳ期で3年生存率8.7%、5年生存率5.8%。

全症例で3年生存率58.0%、5年生存率50.0%となっており、全国と比べほぼ同様の結果となっております。

⑤胃癌(病期別・75歳未満)のカプランマイヤー(生存曲線)

【解説】

胃癌におきましては、75歳以上を外した75歳未満の生存曲線も出しております。各病期において、大差はみられませんが、Ⅱ期においては、75歳未満が生存率が高く、背景として高齢者は他疾患の併存も多く、他病死も影響していると考えます。

⑥胃癌(全体)カプランマイヤー(生存曲線)

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