①対象期間 2006/1/1~2012/12/31
②観察終了日 2013/08/31
③予後調査 当院来院歴情報
他施設来院歴照会
市町村住民票及び住民票除票照会
④データ算出方法 カプランマイヤー法
実測生存率
全症例数
(内訳)
102名
(男:78名、女:24名)
男女比 3.1:1
平均年齢 75.8歳
消息不明数 2
Stage判明率 100%
消息判明率 98.0%
  病期 症例数 死亡数
病期別 10 7
4 2
ⅢA 5 5
ⅢB 31 29
52 50
全症例 Ⅰ~Ⅳ 102 93

1. 肺癌の男女別年齢分布図

肺がんでは、男性の70代に最も多く、次いで80代後半となっております。女性では、70代後半と90代前半が最も多くなっております。

2.肺癌の男女割合

当院の患者さんの男女比は3.1:1となっており、全国的にも男性が女性の3倍あると言われています。

3. 肺癌の病期別症例数

当院は、現在肺がん手術を行っていないことから、手術可能なⅠ~ⅢA期の患者さんは、当院では診断のみで他施設へ紹介するケースが多い為、今回の対象者から除外されており、件数がかなり少なくなっております。

4. 生存曲線(カプランマイヤー)

病期Ⅱ期においては、症例数4名に対し2名が生存となっており、その生存の方々は2012年診断で14カ月しか経過が経っていないことから、途中で切れた曲線となっております。また、当院は、地域の特色として高齢者が多く比較的早期で肺がんがみつかった場合でも、積極的な治療は選択されないことがあります。

肺がんについて

肺がんとは?

肺がんは、肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものです。肺がんは喫煙との関係が非常に深いがんですが、タバコを吸わない人でも発症することがあります。周囲に流れるタバコの煙を吸う受動喫煙により発症リスクが高まることもわかっています。近年、肺がんは日本人のがんによる死亡原因のトップとなりましたが、まだ増加する傾向にあります。

肺がんの症状

肺がんの一般的な症状としては、なかなか治りにくい咳、血痰、胸痛、呼吸器時のぜーぜー音(喘鳴)、息切れ、声のかれ(嗄声)、軽度の発熱、顔や首のむくみなどがありますが、必ずしも肺がん特有のものではありません。

肺がんの検査

肺がんの検診方法として“効果がある”とされているのは「胸部X線検査」です。また、肺がんが疑われるときには、胸のX線検査や喀痰細胞診、血液検査、胸部CT、腫瘍マーカー、気管支鏡検査などを行います。必要に応じて胸水検査、経皮的肺穿刺・生検、脳のMRI、腹部CTや超音波(エコー)検査、骨シンチグラフィー、PETなどを行うこともあります。

肺がんの治療

 肺がんの治療は、肺がんの分類(非小細胞肺がんと小細胞肺がん)と病期(ステージ)に基づいて治療法が決まります。小細胞肺がん以外は、非小細胞肺がんなので、非小細胞肺がんには、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌等が含まれます。

 肺がんの分類、病期によって、手術、放射線、薬物療法(抗がん剤治療)、を行いますが、現在、当院では手術、放射線治療を行っておりません。

小細胞肺がんは、診断された時点で転移がみられることが多い一方で、非小細胞肺がんに比べて抗がん剤治療の効果が高いため、抗がん剤治療が中心になります。

肺がんの予防法

 肺がんの最大の原因は、喫煙習慣です。たばこに含まれる多くの有害物質が発がんリスクを高めています。喫煙者本人だけでなく、受動喫煙が発がんリスクを高めることも要注意です。当院においては、禁煙外来を開設しており、一日でも早く禁煙したい方のサポートを行っております。

また、アスベストについては過去にアスベストを扱う職業で、アスベストが空中を舞うような環境で行っていたかが重要になります。現在の環境ではアスベストによる肺がんの発症は考えにくく、過去の作業を行ってから30年から40年経つと潜伏期間が終わり発症すると考えられています。