乳癌の生存率 2018年

対象期間 2011年1月1日~2017年12月31日
観察終了日 2018年8月31日
予後調査 来院情報
  他施設照会
  衛生環境研究所からの予後情報
生存率算出方法 カプランマイヤー法(実測生存率)
全症例数 252名
  男:3名 女:249名
男女比 1;83
平均年齢 61.7歳
Stage判明率 99.6%
消息不明数 25名
消息判明率 90%
病期別   症例数 死亡数 3年生存率 5年生存率
0 43 0 100% 100%
106 2 98.1% 98.1%
73 8 89.1% 83.3%
16 2 91.6% 82.5%
13 8 45.1% 33.8%
全症例 0~Ⅳ 251 20 92.7% 88.6%

【解説】

乳癌病期Ⅰ期死亡者2名は、他疾患にて死亡。Ⅱ期死亡者8名は原疾患1名、他疾患2名、死因不明5名。

Ⅲ期死亡者2名は、原疾患1名、他疾患1名、Ⅳ期死亡者8名は、原疾患6名、死因不明2名となっております。

※死因不明の方は院外での死亡の為、死因判明が出来ませんでした。

①乳癌の男女別年齢階級グラフ

【解説】

乳癌は、女性のがんの罹患率の第1位となっており、現在増加傾向にあります。

乳癌は、女性だけに発生するがんと思われがちですが、男性にも発生します。男性乳癌は、全乳癌の1%以下の頻度と比較的稀な疾患とされておりますが、当院では2011年から2017年までの7年間で1%(3症例/249症例)の罹患を認めました。平均年齢は、61.7歳で、女性の乳癌では60歳代前半に最も多く、次いで40歳代後半となっており、60歳代後半から次第に減少しています。背景として、40歳からの乳癌検診の推奨と受診率の向上の影響が考えられます。

②乳癌の男女割合

【解説】

当院の患者さんの男女比は1:83となっており、全国的にも女性が男性の99倍あると言われております。

③乳癌の病期別(ステージ)症例数

【解説】

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いて、ステージとも言います。

病期は、がんが乳房の中でどこまで広がっているか、リンパ節転移があるか、乳房から離れた臓器への転移があるかなどによって決まります。

近年、検診受診率の上昇により、早期乳癌(ステージ0、Ⅰ、Ⅱ)の増加が認められています。

当院では乳癌252件中、しこりの大きさが2cm以下で、リンパ節や別の臓器に転移のないステージⅠが106件と全体の42%を占めております。

④乳癌(病期別)のカプランマイヤー(生存曲線)

【解説】

乳癌の病期別生存率を見てみますと、Ⅰ期で3年生存率98.1%、5年生存率98.1%。

Ⅱ期で3年生存率89.1%、5年生存率83.3%。Ⅲ期で3年生存率91.6%、5年生存率82.5%。

Ⅳ期で3年生存率45.1%、5年生存率33.8%。全症例0~Ⅳ期で3年生存率92.7%、5年生存率88.6%となっており、他の癌に比べて予後の良い癌だということが解ります。

⑤乳癌 全症例カプランマイヤー(生存曲線)