乳がん検診の勧め
- 2020.04.14
- ASUNARO No.101
- がん, 人間ドック通信
文:保健師 山里 尚子(やまざと なおこ)
日本人女性に急増している乳がん
近年、日本人女性に急増している乳がんですが、最新のがん統計結果からも罹患率・死亡率ともに高い状態が続いていることがわかります。(下記表)
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
罹患率(2014年) | 乳房 | 大腸 | 胃 | 肺 | 子宮 |
死亡率(2017年) | 大腸 | 肺 | 胃 | 膵臓 | 乳房 |
がん検診が大切
また、次の表のように、がんが発見できても、がんの進行が進むにつれて5年生存率が下がっています。しかし最近では治療法が進んでいるため、早期に見つけて適切に治療すれば治癒の確立がかなり高くなることが分かっています。そのために大切なのが、がん検診になります。
臨床時期 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | 全症例 | 病気判明率 | 追跡率 |
生存率 | 100% | 96% | 80.80% | 38.50% | 17494 | 99.40% | 97.90% |
1年に1度の乳がん検診を受けましょう
図をみると、当センターでは3年間で新規の乳がんが発見された方は57人となっています。乳がん検診にはマンモグラフィと乳房超音波(エコー)検査の二つの検査方法があり、当センターではマンモグラフィ検査をした方の20人に1人、エコー検査をした方の100人に1人、両方検査した方の20人に1人に乳がんが発見されています。二つの検査にはそれぞれの検査の特徴があります。そのため、マンモグラフィ検査で指摘がなくても、エコー検査でがんが発見されたり、エコー検査では指摘がなくても、マンモグラフィ検査で発見される方もいます。検査の特徴を知り月1回の自己触診に加え1年に1度の乳がん検診を受けましょう。
エコー検査(乳房超音波検査)
痛みがなく小さい腫瘍も見つけることができます。マンモグラフィで白く見える部分のがんの検出が可能です。乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、周囲のリンパ節への転移の有無を調べます。乳房の表面から超音波を発生する器械をあてて、超音波の反射の様子を画像で確認します。放射線を使用しないため、妊娠中でも可能です。乳腺の張りや痛みがある方、若い方、乳腺の密度が高い方に適しています。
マンモグラフィ検査
超音波・視診・触診で発見しにくい小さな病変や石灰化も発見できます。病変の位置や広がりを調べるために行われる乳腺専用のX線検査です。少しの被ばく線量で乳房組織を調べるため、板状のプレートで乳房をはさんで圧迫し、うすくひき伸ばして撮影します。個人差はありますが痛みを伴うことがあります。
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