5階病棟と鼠径ヘルニア手術の紹介

5階病棟と鼠径ヘルニア手術の紹介

文 5階病棟師長 大城 祥子(おおしろ しょうこ)

 当院の5階病棟は、小児科と消化器内科の混合病棟として、多職種が連携しながら質の高い医療を提供しています。その中でも、小児科で行われている小児鼠径(そけい)ヘルニア手術(LPEC法)は、地域でも限られた医療機関でしか対応していない貴重な取り組みです。今回は、そのLPEC法についてご紹介します。
 LPEC法(腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術)は、細い腹腔鏡カメラを使用し、体への負担が少なく、傷跡もほとんど残らないとされる手術方法で、嵩原医師によって考案されました。かつて当院にも嵩原医師が在籍しており、この手術が積極的に行われていましたが、医師の退職により一時中断していました。しかし、今年4月よりLPEC法による小児鼠径ヘルニア手術が当院で再開されました。
 鼠径ヘルニアは足の付け根から内臓、多くの場合は小腸(女性では卵巣や卵管)が飛び出し膨れた状態になる病気です。一見すると軽い症状に見えるかもしれませんが、放置すると腸が締め付けられて重篤な状態になることもあります。そうならないためにも、早期発見と手術による治療が大切です。
 当院での小児鼠径ヘルニア手術は1泊2日の入院で行っており、医師、看護師、保育士などが密に連携し、安心して治療を受けていただける体制を整えています。
 お子さまの手術と聞くだけで、多くの保護者の方が「大丈夫かな?」と不安を感じられることと思います。そうした不安を少しでも和らげるために、私たち看護師が最も大切にしているのは、誰にでもわかりやすく丁寧な説明と対応です。手術当日は、麻酔が効く直前まで保護者の方も一緒に手術室に入り、お子さまもご家族も安心できるよう配慮しています。
 術後は、小児科病棟で医師と看護師が連携し、痛みの様子や全身状態を細かく観察しながら、安心してご自宅に戻っていただけるようサポートしています。また、病棟には保育士も常駐しており、お子さまを安心して預けていただける環境を整え、保護者の方が少しでもリラックスできる時間を持てるよう心がけています。
 病棟スタッフの多くは子どもが大好きで、入院してくる子どもたちを見るたびに「癒される〜」が口癖です。私たちが頑張り続けられるのは、回復していく子どもたちの笑顔に出会えるからです。手術そのものは短時間で終わり、多くのお子さまは当日中に元気な笑顔で退院されます。その姿を見送るたびに、「この病院で手術を受けてよかった」と思っていただけるようなサポートを、これからも続けていきたいと思います。

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