令和3年度 ハートライフ病院 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 513 | 166 | 263 | 487 | 609 | 851 | 1460 | 1525 | 1474 | 612 |
(項目説明)
診療科ごとに症例数の上位3つの診断群分類(DPC14桁分類=DPCコード)について集計しています。
項目はDPC14桁分類に対する症例数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢、患者用パスの有無で、指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
◇DPC14桁分類(DPCコード)
診断群分類を表すコードです。医師によって決定される主病名と、一連の入院期間中に行われた医療行為の組み合わせによって分類されますので、同じ主病名でも医療行為が違えばDPCコードも異なります。
◇DPC名称
14桁の数字はどのような病気と治療方法で分類されているかを表します。全てに意味をもち、全国共通のコードとして使用されております。
◇平均在院日数(自院)
当院へ入院していた患者さんの在院日数を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。
◇平均在院日数(全国)
厚生労働省から公表されている、平成30年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。ただし、在院日数から外泊日数が除かれた数値になります。
◇転院率
該当する症例数のうち、当院から他病院に移動して入院継続(転院)することとなった患者さんの割合です。
◇平均年齢
当院へ入院していた患者さんの年齢を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) | 343 | 2.07 | 2.65 | 0 | 62.71 | |
110310xx99xxxx | 腎臓または尿路の感染症 | 166 | 14.26 | 13.14 | 10.24 | 79.01 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | 141 | 19.87 | 20.57 | 18.44 | 85.47 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 119 | 10.99 | 9.21 | 0.84 | 77.73 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 | 108 | 7.09 | 7.70 | 0 | 63.35 |
当院では大腸内視鏡を積極的に行っており、大腸ポリープを含む小大腸の良性腫瘍の患者さんが多く入院しております。その他の内科の入院については、患者さんの高齢化を反映しており、尿路感染症、誤嚥性肺炎の入院が多くなっております。高齢の患者さんの入院は、長くなることが多いですが、当院では早期からのリハビリテーションを積極的に行っており、嚥下評価や訓練を行うことにより寝たきりを防ぎ、入院期間をなるべく短くするように努力しております。可能な限り自宅や施設で過ごす時間が多くなるように、連携室を通し多職種での患者さんへの関わりを強化し、患者さんの生活の質を落とさないようにしております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080270xxxx1xxx | 食物アレルギー | 167 | 2.00 | 2.13 | 0.00 | 1.94 | |
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) | 72 | 4.19 | 6.13 | 1.39 | 0.00 | |
140010x199x1xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) | 39 | 5.79 | 10.48 | 7.69 | 0.00 | |
140010x299x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) | 32 | 6.81 | 11.01 | 0.00 | 0.00 | |
040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他 | 22 | 3.95 | 5.83 | 0.00 | 0.86 |
昨年度もコロナ禍の影響を受け、全体的な入院数が大幅減となっていますが、小児科では、RSウイルスをはじめとするウイルス感染が契機となる急性細気管支炎の症例が多く、特に保育園などからの集団生活を始める時期とRSウイルスの流行時期が重なることもあり、3月から8月に0~2歳の入院が増加する傾向があります。幼児や学童は気管支喘息や肺炎の入院もあります。
平成28年4月から小児アレルギー外来を開設し、食物経口負荷試験入院が100件以上と食物アレルギー関連の入院も増加しています。
また、当院には産科があり、新生児黄疸や新生児仮死、新生児一過性多呼吸などの新生児疾患は小児科が管理しています。産科分娩数の増加に伴い、小児科が介入する新生児疾患の増加がみられます。NICUでの管理が必要と判断した場合は、NICUのある近隣施設へ転院搬送を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) | 79 | 3.29 | 4.74 | 1.27 | 60.35 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 | 50 | 5.02 | 5.40 | 0.00 | 43.16 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) | 48 | 6.29 | 6.25 | 0.00 | 59.48 | |
060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 | 43 | 10.42 | 9.00 | 4.65 | 74.84 | |
060035xx010x0x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 38 | 16.53 | 15.76 | 5.26 | 69.89 | |
060335xx02000x | 胆嚢炎等 | 38 | 8.95 | 7.11 | 0.00 | 64.29 |
外科で入院治療となる疾患は鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)が最多で、虫垂炎、胆嚢疾患(胆嚢炎や胆嚢結石症)、腸閉塞と続きます。次に多い結腸の悪性腫瘍は大腸癌のうち、直腸癌を除いた症例数となります。その他には良性疾患としては肛門疾患(痔核や痔瘻など)を多く治療しています。悪性疾患としては、大腸癌、乳癌が多く、胃癌や肝臓や膵臓の手術治療だけではなく抗がん剤治療も担当しています。
昨今、超高齢化社会の到来で複数の併存疾患を持った患者様を治療することが当たり前となってきています。そのような状況のもと、各種疾患のガイドラインを遵守しつつ、他科専門医とも密接に連携して症例ごとに最も適切な医療を提供すべく奮闘しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 | 127 | 25.98 | 25.32 | 82.68 | 82.83 | |
160760xx97xx0x | 前腕の骨折 | 67 | 3.87 | 4.99 | 1.49 | 50.01 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) | 52 | 25.04 | 23.02 | 36.54 | 72.33 | |
070230xx97xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) | 49 | 4.73 | 7.39 | 0.00 | 63.9 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) | 48 | 18.46 | 19.34 | 56.25 | 82.4 |
整形外科入院は952人と減少していました。
傷病名でみると、骨粗鬆症の進行に伴い骨折しやすい部位(大腿骨近位部、橈骨、椎体)の骨折が上位を占めていました。
また、当院は膝疾患への取り組みを強化しており変形性膝関節症が3番目に多くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 | 27 | 11.04 | 13.07 | 0.00 | 53.04 | |
070071xx97xxxx | 骨髄炎(上肢以外) | 17 | 43.88 | 34.28 | 29.41 | 70.53 | |
100100xx99x0xx | 糖尿病足病変 | – | – | 21.08 | – | – | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 | – | – | 2.94 | – | – | |
160200xx0200xx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) | – | – | 5.16 | – | – |
コロナ禍による手術室制限のため全体的な件数は減少しています。当科では慢性創傷(膿皮症・毛巣洞・褥瘡・糖尿病性足潰瘍など)に対する手術を比較的多く扱っております。これは2019年開設した足と傷のセンターの影響が大きく、近隣はもちろん、県内遠方や離島からの紹介も受けております。
また、通常当科で多く扱う眼瞼下垂症も各種手術で対応し、顔面外傷に対する縫合なども行っており、美しく目立ちにくい傷跡を目指しております。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) | 29 | 19.1 | 18.90 | 65.52 | 67.9 | |
010040x199x0xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) | 20 | 21 | 22.42 | 80 | 75.3 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 19 | 11.74 | 9.78 | 31.58 | 77.47 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 18 | 13.72 | 8.30 | 27.78 | 67.39 | |
010230xx99x00x | てんかん | 16 | 7.94 | 7.22 | 18.75 | 70.94 |
今年は脳出血の件数は同様ですが、アルコールに関連した頭部外傷例が昨年度と比べて多い年でした。
また、けいれん発作もアルコール関連に関連するものが多く、コロナ禍でのストレスにより飲酒が多くなっているのでしょうか。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 | 94 | 7.47 | 9.39 | 0.00 | 33.89 | |
12002xxx02x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 | 35 | 2.94 | 3.05 | 0.00 | 46.31 | |
120140xxxxxxxx | 流産 | 33 | 1.24 | 2.44 | 0.00 | 35.30 | |
120200xx99xxxx | 妊娠中の糖尿病 | 26 | 5.58 | 5.37 | 0.00 | 32.73 | |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 | 25 | 5.00 | 6.11 | 0.00 | 45.04 |
最も多い症例は既往帝王切開や骨盤位による帝王切開例です。
日本では子宮体癌発生例が毎年増加傾向でそれに伴い手術症例も増加傾向にあります。
流産手術では従来の掻爬術から最近では手動真空吸引管を用いて子宮内膜の挫滅をできるだけ避けて愛護的に施行することが推奨されています。
妊娠合併症は妊娠糖尿病が最多で厳重な血糖コントロールが必要です。
卵巣腫瘍は最近ではほとんどが腹腔鏡下で摘出が行われ、また切開創部が小さいため術後の疼痛が緩和され社会復帰も早いのがメリットです。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 | 297 | 2.55 | 2.71 | 0.00 | 71.75 | |
020280xx97xxxx | 角膜の障害 | 21 | 11.52 | 9.56 | 4.76 | 69.33 | |
020250xx97xxxx | 結膜の障害 | 14 | 2.5 | 3.25 | 0.00 | 62.43 | |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 | 10 | 3.5 | 4.83 | 0.00 | 76.6 | |
020110xx99xxxx | 白内障、水晶体の疾患 | – | – | 2.61 | – | – | |
020280xx99xxxx | 角膜の障害 | – | – | 16.29 | – | – | |
020320xx97xxxx | 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 | – | – | 3.11 | – | – | |
160250xxxx0xxx | 眼損傷 | – | – | 5.05 | – | – |
眼科の入院の多くは手術目的となります。
最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり1泊2日ないしは日帰りで行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。
また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。
特に、角膜移植治療に関しては、虹彩整復や瞳孔形成、硝子体切除を併施することも増えており、より難度の高い治療も可能な限り行う体制を整えております。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030390xx99xxxx | 顔面神経障害 | 20 | 8.2 | 9.01 | 0.00 | 60.95 | |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 | 17 | 4.76 | 4.92 | 0.00 | 63.59 | |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 | 15 | 6.4 | 5.71 | 0.00 | 34.73 | |
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 | 15 | 6.6 | 7.09 | 0.00 | 48.80 | |
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | – | – | 7.84 | – | – | |
110280xx97x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | – | – | 14.62 | – | – |
耳鼻咽喉科は、耳、鼻副鼻腔、咽頭・喉頭(音声・嚥下含む)、頭頸部(悪性腫瘍含む)におけるあらゆる疾患に対応すべく、大学病院からの各専門医師の外来も行い、連携して診療しております。
最も多い疾患としては、顔面神経障害でした。原因は不明ですが、コロナ禍でウイルス性顔面神経麻痺の原因であるストレスや疲労が増加したことや私の専門領域の一つであるためにご紹介頂けている可能性が考えられます。通常7日間の点滴加療で8日目に退院可能ですが、糖尿病のある方などはステロイドを使用するため、やや入院期間が延長することとなります。
次が前庭機能障害(末梢性めまい症、前庭神経炎等)で、昨年同様に多い傾向です。
例年多い扁桃周囲膿瘍などの上気道感染症は、コロナ禍で社会活動が制限されると減少する印象です。ただし、悪化した場合は気道狭窄(窒息)のリスクがあるため、入院での十分な抗生剤加療を要します。そのため慎重な加療となったのか、昨年よりは平均在院日数がやや延長しております(5.04日→6.4日)。
慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫(主に慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎等手術症例)で、中耳炎手術は7日間(鼓膜形成は3日間、MRSA など感染耳の場合は10日間程度)であり平均在院日数6.6日となっております。私の専門領域であり、近医よりご紹介頂いているかと思います。その他、扁桃、アデノイドの慢性疾患は慢性扁桃炎の方、慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全は扁桃病巣感染症の方でいずれも扁桃摘出術目的の入院です。およそ7-9日程度の入院になっております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 | 22 | 10.14 | 7.02 | 4.55 | 72.00 | |
110420xx02xx0x | 水腎症等 | 19 | 4.89 | 3.99 | 15.79 | 82.26 | |
110310xx01xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 18 | 14.00 | 14.08 | 5.56 | 73.22 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 14 | 9.64 | 13.14 | 0.00 | 73.36 | |
11012xxx97xx0x | 上部尿路疾患 | 12 | 9.92 | 7.16 | 8.33 | 71.25 |
膀胱腫瘍の入院に関しては、尿路上皮腫瘍にたいする経尿道的膀胱腫瘍切除術を実施している症例が多いです。根治切除できない原発腫瘍、または遠隔転移を有する腫瘍にたいする免疫チェックポイント阻害薬投与を数例で実施しています。右尿管腫瘍に対して右腎尿管全摘+膀胱部分切除術を1例実施しています。水腎症、腎臓または尿路の感染症に関しては、結石性腎盂腎炎が多く、これに対して尿管ステント留置術(緊急をふくめて)実施しています。敗血症症例に対しては、ICU、HCUで管理した症例もあります。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 23 | – | – | 35 | – | – | 1 | 8 |
大腸癌 | 29 | 38 | 39 | 45 | – | 30 | 2 | 8 |
乳癌 | 16 | 18 | – | – | 27 | – | 1 | 8 |
肺癌 | – | – | 11 | 23 | 30 | – | 1 | 8 |
肝癌 | – | – | 11 | 17 | – | 17 | 2 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発のUICC TNM分類、癌取扱規約の病期分類別、 および再発に分けて集計しています。
2021年度中に退院した延べ患者数となっております。つまり、集計対象期間中に複数回入院された患者さんも複数回カウントしています。
◇UICC病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期~Ⅳ期の4病期(ステージ)に分類するものです。
◇癌取扱い規約病期分類
日本で編集されている規約で、臓器別に国内の学会や研究会によって編集され、20を超える癌取扱い規約があります。UICC同様、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期~Ⅳ期の4病期(ステージ)に分類するものです。
●原発巣・・・癌が最初に発生した場所にある病巣
(解説)
当院は、日本がん治療認定医機構の認定研修施設として、がん予防・診断・治療にも力を入れ、多くの実績を挙げております。
「初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数」の表から当院の初発件数を見ますと、大腸癌が一番多く、次いで胃癌、乳癌・肺癌(同数)、肝癌の順となっております。
では、臓器別に解説を致します。
胃癌に関しましては、近年検診の普及や治療技術の進歩により、死亡率は減少していると言われますが、依然として罹患率は高く、2020年国立がん研究センターの部位別死亡数データによると、男女計3位と今日においても、胃癌は主要な悪性疾患の一つです。
ステージⅣ、および再発の症例は、化学療法などで入退院を繰り返す患者さんを重複して集計をしている影響もありますが、当院では、ステージⅣが最も多く、次いでステージⅠとなっております。
がんの深さが粘膜にとどまり、転移のない早期胃癌であれば、がんだけを胃壁から剥がす内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により、胃を温存し治療を行うことができます。
進行度に応じて手術や化学療法など、患者さんの状態に合わせた治療を行っており、手術に関しましては、安全で確実な手技を第一に考え、低侵襲(腹腔鏡を用いた傷の小さい方法)を追求し、患者さんに対して、優しい治療を目指しております。
大腸癌は、全国的に増加傾向にあり、国立がん研究センターの人口動態統計による都道府県別がん死亡データによりますと、2020年沖縄県の大腸がんによる死亡率は、男性3位、女性2位、男女計2位と高く、深刻な問題となっております。
当院でも大腸癌の症例は多く、病期別では、ステージⅣが最も多く、次いでステージⅢとなっております。胃癌同様、化学療法などの重複集計の影響もありますが、当院では、初診時より進行癌と診断される患者さんが多いのが現状です。
大腸癌は、早期に診断、治療が開始できれば根治が可能であり、当院では「大腸癌早期発見プロジェクト」を立ち上げ、入院患者さんに対し便潜血の無料検査を実施し、大腸癌死亡率低下を目指しております。
乳癌は、2019年国立がん研究センターの統計によりますと、女性のがん罹患率1位となっており、依然として増加傾向にあると言われております。
当院は、ステージⅡが最も多く、次いでステージⅠとなっております。
各ステージや癌の種類、個々の状況に応じて、手術療法や化学療法、ホルモン療法、またそれらの組合せにより治療を行います。当院では形成外科医と連携し、乳房再建を行っております。再建タイミング、方法に関しましては、年齢、切除範囲、健側乳房形態、生活スタイルに合わせ最適な治療法を提案しQOL向上に努めております。また、乳癌看護認定看護師による「がん患者カウンセリング」、リンパ浮腫指導技能者資格取得看護師による「リンパ浮腫看護外来」の体制も整え、ボディイメージの変容による心理的サポート、セルフケアの支援を行い、きめ細かな対応を目指しております。
肺癌は、国立がん研究センターの部位別死亡数データによりますと、2020年のわが国における悪性腫瘍死亡率の中で肺癌の占める割合は、男性1位、女性2位、男女計1位、と、難治性の高いがんといえます。
化学療法などで入退院を繰り返す患者さんを重複して集計している影響もありますが、当院では、遠隔転移のあるステージⅣと診断される患者さんが多く、治療は呼吸器内科による化学療法が主体となります。肺癌の治療に関するガイドラインでは、ステージⅠ~Ⅱの場合は、手術療法が考慮されますが、手術、放射線治療が必要な患者さんは、肺癌専門医療機関と連携し、対応しております。
肝癌は、リンパ節または、遠隔転移のあるステージⅣが最も多く、次いでステージⅢと初診時より進行癌と診断される患者さんが多いのが現状です。
当院は、肝臓内科を標榜し、県全域から紹介があり、早期癌から進行癌まで幅広く診療に対応しております。
治療は、RFA(ラジオ波焼灼療法)、TACE(肝動脈化学塞栓術)、肝切除術、化学療法を行っており、癌の進行度に応じ、個々の患者さんに最適な治療を行っております。肝癌は、治療後に再発することが多く、当院の患者さんも肝癌初回治療後の再発として、入院治療される方の割合が多くなっております。
当院では、わが国で発症率の高い5大がん、その他のがんについても、化学療法・手術療法など、患者さんにとって最善の医療を各診療科が相互に協力し行っております。がん治療の充実を図るため、外来化学療法室(名称:通院治療室)を整備し、医師・看護師・薬剤師と共に治療、副作用の対策を行い、安全で快適な環境で日帰りの抗がん剤治療を提供しております。
また、口腔ケア科を設立し、医科と歯科が連携を取り、手術・化学療法による合併症の抑制に努めております。他職種で構成される緩和ケアチームがあり、患者さんの苦痛を和らげる活動も行っております。
現在、新型コロナウィルス感染流行のさらなる拡大と、医療崩壊が危ぶまれる一方、病院の受診控えや、検診の自粛に伴いがんの早期発見・早期治療につなげる事ができない状況が懸念されております。
当院では、院内感染のガイドラインに基づき、院内感染対策を徹底して行い、検診を担当する予防医学センターの活動を継続しており、癌患者さんの診療も途切れる事なく継続しております。自己判断で受診を控えず、ぜひ検診を受けて頂きたいと思います。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 35 | 8.54 | 54.66 |
中等症 | 83 | 13.42 | 77.06 |
重症 | 18 | 15.83 | 82.83 |
超重症 | – | – | – |
不明 | – | – | – |
成人市中肺炎の総数は昨年度の118件から139件へ増加していますが、2019年度の312件と比較すると半数以下でした。超重症の数は4件から3件へ減少しました。重症度別患者数では中等症が60%と最も多く、平均在院日数は13.4日で昨年度より1.2日短くなりました。例年同様に軽症の平均年齢は低く、平均在院日数も8.5日と短くなっています。重症の平均年齢は82.8才と高齢であり、在院日数も長期になっています。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 159 | 19.00 | 75.70 | 38.24 |
その他 | 11 | 21.55 | 80.09 | 1.76 |
脳梗塞の病型別の症例数、症例割合、発症日から3日以内・その他、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
○ICD‐10コード
「疾病及び関連保険問題の国際頭頚分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の略称で、死因や疾病の国際的な統計基準として、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した分類です。
現在の最新版は国際疾病統計分類 第10回修正(ICD‐10)が採択されています。
○平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
○転院率
該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合。
(解説)
「脳梗塞」と診断された患者さんの約9割の症例が発症3日以内でした。
当院では脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者の割合は93.6%と高く(昨年度は91.0%)、また、脳梗塞発症から短時間で t-PA治療、血管カテーテルによる血栓除去術も行っております。
脳卒中地域連携パスも運用しており、地域の回復期病院や開業医と連携を行なっております。
(項目説明)
症例数の多い手術件数を各診療科別に集計した上位5つを掲載しています。 (定義)
手術術式の点数表コード(Kコード)による集計とし、輸血関連(K920$)や創傷処理などの軽微な手術、加算等は除外としています。
指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
・Kコード
以下点数表で定められた、手術術式の点数表コードです。
・名称
手術術式の名称です。同一のKコードで複数の部位が対象となる手術は、 部位別に集計しています。
(例)整形外科K0461 骨折観血的手術(大腿)82件とK0461 骨折観血的手術(上腕)15件は別集計。
・平均術前日数
入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数
手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・転院率
該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)する こととなった患者さんの割合です。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 325 | 0.03 | 1.02 | 0 | 62.62 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 102 | 2.58 | 8.29 | 0.98 | 77.47 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) | 73 | 1.99 | 1.32 | 0 | 73.4 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 62 | 3.26 | 1.82 | 4.84 | 73.81 | |
K708-3 | 内視鏡的膵管ステント留置術 | 39 | 2.72 | 8.03 | 2.56 | 71.08 |
内科の手術としては、消化器科、循環器科が主に行っております。消化器内科では、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除がもっとも多くなっております。 術後は経過観察目的で一拍入院で行っておりますが、ほとんどの症例で合併もなく、手術翌日に退院されております。消化器内科で次に多いのは、総胆管結石や閉塞性黄疸の治療のために行う内視鏡的胆道ステント留置術、膵炎の膵石の患者さんに行う内視鏡的膵管ステント留置術です。当院では肝硬変症も多く診ており、内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術も多くなっています。
循環器内科では、心筋梗塞、狭心症に対する経皮的冠動脈形成術を行っており、症例数も増加、ECMO、IABPを導入しより重症の患者さんも診ております。また、糖尿病、透析の患者さんに多い、閉塞性動脈硬化症に対するEVTを積極的に行い、症例数も年々増加しております。沖縄では歩く習慣があまりなく、発見されるときには重症の末梢血管病変となっていることが多く、今後は早期発見の啓蒙活動が必要と考えております
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) | 10 | 0.00 | 4.70 | 10.00 | 0.00 | |
K9132 | 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) | – | – | – | – | – | |
K653-3 | 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 | – | – | – | – | – | |
K7151 | 腸重積症整復術(非観血的なもの) | – | – | – | – | – |
当院産科の分娩件数の増加に伴い、新生児仮死への蘇生件数も増加しています。
また、他科入院での手術症例も、小児の場合は術前診察など協力を行っています。件数は少ないですが、小児外科や外科のバックアップのもと非観血的腸重積症整復術を小児科で施行しています。小児の皮膚感染症も当科で管理していますが、必要時は外科や形成外科にコンサルトし、皮膚切開術が施行されることがあります。乳幼児の耳鼻咽喉科関連の感染症の入院も小児科で管理しますが、必要時は耳鼻咽喉科にコンサルトし鼓膜切開術が施行されることがあります。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 101 | 2.50 | 5.80 | 0.99 | 62.56 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 98 | 0.81 | 1.10 | 1.02 | 45.94 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 49 | 0.49 | 3.51 | 0.00 | 42.55 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 42 | 3.48 | 11.29 | 0.00 | 69.45 | |
K7432 | 痔核手術(脱肛を含む。)(硬化療法(四段階注射法によるもの)) | 28 | 0.00 | 0.04 | 0.00 | 64.86 |
手術を要する疾患で入院した患者様の術式で多い順に、腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下虫垂切除術、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、痔核手術となっています。近年では大腸癌や乳癌の症例が増加傾向にあります。胃癌や大腸癌など悪性疾患に対する腹腔鏡手術は進行度に応じて適応としています。一方、良性疾患には可能な限り腹腔鏡手術を行うようにしており、ヘルニアや胆嚢摘出術、虫垂切除術はほとんど腹腔鏡手術です。結果として、腹腔鏡下胆嚢摘出術では5.80日、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術では術後在院日数が1.10日、腹腔鏡下虫垂切除術では3.51日、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術で11.29日と良好な成績となっています。痔核手術は切らなくても良い手術(ジオン硬化療法)で行われることが多く、ほぼすべての患者様が日帰り手術となっています。また、乳癌ではセンチネルリンパ節生検を用いた乳房温存療法を行っているだけではく、形成外科の協力のもと乳房再建も行っています。食道アカラシアという比較的まれな疾患に対しては、POEMという内視鏡手術を行っています。
このように各領域の疾患に対して、安全性と根治性を重視した上で、低侵襲手術(傷の小さい、体に負担の少ない手術)を追求しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(大腿)(上腕)(肩甲骨) | 106 | 2.26 | 18.37 | 67.92 | 76.88 | |
K0821 | 人工関節置換術(膝)(股) | 83 | 1.9 | 21.35 | 36.14 | 69.76 | |
K0462 | 骨折観血的手術(下腿)(前腕)(手舟状骨) | 79 | 2.05 | 9.05 | 8.86 | 58.35 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿)(前腕) | 65 | 0.85 | 1.94 | 0 | 47.4 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 41 | 5.46 | 22.46 | 85.37 | 82.02 |
2021年度は、新型コロナ感染流行がおさまらず手術件数が減少しました。
新型コロナ感染対策で外出や運動ができず足腰が弱り転倒しやすくなり、骨粗鬆症の進行した高齢者の骨折(大腿骨近位部)に対する骨折観血的手術および人工骨頭挿入術が上位を占めていました。
また、変形性関節症による関節痛に苦しみ手術を希望される方が多く、安定した成績が得られる人工関節置換術は2位でした。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K084 | 四肢切断術(大腿) | – | – | – | – | – | |
K0433 | 骨掻爬術(足その他) | – | – | – | – | – | |
K753 | 毛巣洞手術 | – | – | – | – | – | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | – | – | – | – | – | |
K617-4 | 下肢静脈瘤血管内焼灼術 | – | – | – | – | – |
コロナ禍による手術室制限のため全体的な件数は減少しています。しかし、2019年から足と傷のセンターでのチーム医療を開始しており、慢性創傷(主に下肢の難治性潰瘍です)に対する入院加療を行っております。
形成外科では上記治療のほかに、慢性創傷である毛巣洞の切除でも見た目よく縫合閉鎖する手術を行っております。また、潰瘍の原因となる下肢静脈瘤のレーザー治療も行なったり、循環器内科と協力して下肢静脈の治療を行なったりしており、可能な限り下肢温存に努めております。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭による) | 17 | 0.65 | 10.06 | 29.41 | 79.29 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | – | – | – | – | – | |
K1642 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの) | – | – | – | – | – | |
K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) | – | – | – | – | – | |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) | – | – | – | – | – | |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | – | – | – | – | – |
今年度は血管内治療による割合が、前年度に比べて多くなっております。
一般的に外科手術はより低侵襲治療が選択されるようになり、当院でもその傾向が認められます。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 79 | 1.15 | 5.58 | 0.00 | 33.77 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 57 | 2.12 | 5.81 | 0.00 | 34.11 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 34 | 1.00 | 1.00 | 0.00 | 46.29 | |
K9091イ | 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) | 31 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 35.87 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) | 29 | 0.97 | 3.14 | 0.00 | 44.52 |
1、2番目に多い手術症例は既往帝王切開や骨盤位で予定を決めて行う選択帝王切開と分娩中の胎児機能不全や分娩停止による緊急帝王切開です。当科では24時間体制で対応しています。
子宮頸部切除術は頸部前癌病変や初期癌の診断、治療を兼ねた手術です。
流産手術では従来の掻爬術から最近では手動真空吸引管を用いて子宮内膜の挫滅をできるだけ避けて愛護的に施行することが推奨されています。
子宮付属器腫瘍手術は主に卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術で腫瘍部分のみ核出し、また切開創部が数㎜と小さいため術後の疼痛が緩和され社会復帰も早いのがメリットです。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 303 | 0.78 | 0.8 | 0 | 72.04 | |
K259 | 角膜移植術 | 16 | 4.06 | 10.5 | 6.25 | 73.38 | |
K224 | 翼状片手術(弁の移植を要するもの) | 12 | 0.08 | 1 | 0 | 61.33 | |
K2542 | 治療的角膜切除術(その他のもの) | – | – | – | – | – | |
K2231 | 結膜嚢形成手術(部分形成) | – | – | – | – | – | |
K279 | 硝子体切除術 | – | – | – | – | – |
眼科の入院の多くは手術目的となります。
最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり1泊2日ないし日帰りで行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。
また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。
その他、角膜移植治療に関連して、虹彩整復や瞳孔形成、硝子体切除を併施することも増えており、より良い角膜移植治療に必要な治療も可能な限り行う体制を整えております。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 18 | 1.00 | 6.44 | 0.00 | 31.22 | |
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) | 13 | 1.15 | 4.38 | 0.00 | 46.00 | |
K6261 | リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) | – | – | – | – | – | |
K309 | 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 | – | – | – | – | – | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | – | – | – | – | – | |
K374 | 咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。) | – | – | – | – | – |
耳鼻咽喉科では、口蓋扁桃摘出術の手術件数が最も多くなっております。慢性扁桃炎や睡眠時無呼吸症候群、IgA腎症等の扁桃病巣感染症の方に手術適応があります。小児も対応しており増加傾向で昨年同様です。通常1週間程度の入院期間ですが、術後出血のリスクがあるため退院後も安静度や食事に制限を伴います。
次に鼓室形成術(耳小骨温存術及び耳小骨再建術)ですが、私が耳科手術を専門としているため、昨年同様に近隣施設よりご紹介頂けていると考えております。小児~成人例まで慢性中耳炎や真珠腫等対応しております。
その次は内視鏡下鼻・副鼻腔手術といった鼻科手術がやはり多い傾向です。
その他はリンパ節摘出術など悪性腫瘍の可能性がある手術や、咽頭悪性腫瘍手術など悪性腫瘍手術がコロナ禍の手術制限下でも行われいると考えられました。
当院では、耳科手術、鼻副鼻腔手術を中心に、頭頸部腫瘍も良性~悪性まで大学病院と連携して対応可能となっております。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 52 | 1.88 | 8.65 | 9.62 | 76.67 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 19 | 1.68 | 4.79 | 0.00 | 71.42 | |
K7981 | 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) | – | – | – | – | – | |
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) | – | – | – | – | – | |
K8352 | 陰嚢水腫手術(その他) | – | – | – | – | – |
経尿道的尿管ステント留置術は、新規、交換を含めた総数となっています。新規症例は、結石性腎盂腎炎によるものが多く緊急性を要することがあります。胃がんや婦人科系のがんによる尿管狭窄に対してステント留置する場合もあります。経尿道的膀胱腫瘍切除術に関しては、根治的切除の場合と、病理診断後に膀胱全摘を要して他院へ紹介する症例もあります。膀胱結石破砕に関しては、当院ではピンハンマーによる経尿道的治療を行っています。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 20 | 0.25 |
異なる | – | – | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 49 | 0.62 |
異なる | – | – |
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の患者数を症例数とカウントし、全入院患者に対する発症率も同時に掲載した。
発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とし、少数第2位までを表示しています。
・指標に示されるそれぞれの用語説明
○DPCコード
病名や医療行為等を数字やxを用いて14桁で表示されるコードのこと。ここでは14桁のうち、病名となる上から6桁を表示しています。したがって、医療行為等は含まれていません。
○播種性血管内凝固症候群
感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。
○敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。
○真菌症
真菌による感染症です。
○手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定の割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。
○入院契機
DPCコードにて分類される主病名とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられます。
○発生率 全入院患者さんのうち、該当の病気で発症した患者さんの割合です。
(解説)
厚生労働省による令和02年度のDPC 対象病院の全国平均では、(上から)「播種性血管内凝固症候群」が0.16%、「敗血症」が0.51%、「その他の真菌感染症」が0.04%、「手術・処置等の合併症」が0.57%でした。
当院の数値は、「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」については、全国平均よりは下回っていますが、「手術・処置等の合併症」については全国平均をわずかに上回ってしまいました。
(※症例数が10件未満のものについては、-と記載しております)
- 2022年9月28日
- 令和3年度病院情報を公開しました。
(解説)
当院は「わたしたちは心と心を結ぶ信頼される医療をめざします」を理念とし、地域医療支援病院として沖縄県中南部東海岸の中核病院として質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。当院の入院患者さんは60歳代から80歳代が多く、60歳代以上の患者さんが全体の約63.7%を占めています。昨年度の退院患者数は7,763名でした。197名の退院患者数増となっています。