平成30年度 ハートライフ病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 837 219 242 436 578 728 1,478 1,503 1,708 719

(項目説明)平成30年度(平成30年4月1日~平成31年3月31日)に当院を退院された患者さんを10歳刻みの年齢階級別に集計しました。年齢は入院日の満年齢となります。

(解説)当院は「わたしたちは心と心を結ぶ信頼される医療をめざします」を理念とし、地域医療支援病院として沖縄県中南部東海岸の中核病院として質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。 当院の入院患者さんは60歳代から80歳代が多く、60歳代以上の患者さんが全体の約64.0%を占めています。昨年度の退院患者数は8,415名でした。33名の退院患者数増となっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

(項目説明)
診療科ごとに症例数の上位3つの診断群分類(DPC14桁分類=DPCコード)について集計しています。
項目はDPC14桁分類に対する症例数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢、患者用パスの有無で、指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。

◇DPC14桁分類(DPCコード)

診断群分類を表すコードです。医師によって決定される主病名と、一連の入院期間中に行われた医療行為の組み合わせによって分類されますので、同じ主病名でも医療行為が違えばDPCコードも異なります。

◇DPC名称
14桁の数字はどのような病気と治療方法で分類されているかを表します。全てに意味をもち、全国共通のコードとして使用されております。

◇平均在院日数(自院)
当院へ入院していた患者さんの在院日数を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。

◇平均在院日数(全国)
厚生労働省から公表されている、平成27年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。ただし、在院日数から外泊日数が除かれた数値になります。

◇転院率
該当する症例数のうち、当院から他病院に移動して入院継続(転院)することとなった患者さんの割合です。

◇平均年齢
当院へ入院していた患者さんの年齢を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 289 2.03 2.67 0 63.0
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 249 15.06 12.58 6.83 78.24
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 207 21.14 20.92 11.59 84.74
050130xx99000x 心不全 97 17.93 17.66 7.22 79.30
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 85 8.35 7.75 0 64.52
(解説)
内科では大腸ポリープを含む小腸大腸の良性疾患の患者さんが最も多く入院していました。当院では大腸内視鏡を積極的に行っており、内視鏡の件数増加と共に粘膜切除術を要する大腸ポリープの患者さんが増加しています。 2番目に多いのは腎臓または尿路感染症で、3番目が誤嚥性肺炎で、4番目に心不全が続きました。2~4番目の患者さんは平均年齢は80歳前後でした。これらの疾患は高齢化社会を反映して今後も増加すると思われます。5番目は憩室炎や憩室出血等の穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患でした。
小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 189 2.01 2.47 0 1.72
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 165 4.89 6.19 0 0.77
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 79 4.82 5.71 0 2.78
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 67 3.7 6.17 4.48 0
040100xxxxx00x 喘息 47 4.17 6.62 0 5.74
(解説)
小児科では、RSウイルスをはじめとするウイルス感染が契機となる急性細気管支炎の症例が多くなっています。保育園などの集団生活を始める時期と、RSウイルスの流行時期が重なることもあり、3月から8月の入院が増加し、年齢も0才~2才が多くなる傾向があります。幼児や学童は気管支喘息発作や肺炎の入院があります。

平成28年4月から小児アレルギー外来を開設し、食物負荷試験入院が188件と食物アレルギー関連の入院が増加しています。

また、当院には産科があり、新生児黄疸や新生児仮死、新生児一過性多呼吸などの新生児疾患は小児科が管理しております。 産科分娩数の増加に伴い、小児科が介入する新生児疾患の増加がみられます。NICUでの管理が必要と判断した患児は、NICUのある近隣施設への転院搬送となっています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)  116 3.35 4.96 0 61.53
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等  65  7.02  7.30  0 62.12
060241xx97xxxx 痔核  64  1.83  5.78  0 64.47
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満)  52  2.69  2.82  0 3.17
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞  45  9.56  8.95  6.67 68.51
(解説)
外科で入院治療となる疾患で、多いものは鼠径ヘルニア、胆石症や胆嚢炎で、他には痔核(いわゆるいぼ痔)、腸閉塞が続きます。その他悪性疾患としては、胃癌や大腸癌、乳癌が多く、手術治療だけではなく抗がん剤治療も担当しています。その他には小児の鼠径ヘルニアや肛門疾患が多く、それぞれの専門医が担当しています。

昨今、超高齢化社会の到来で複数の併存疾患を持った患者様を治療することが当たり前となってきています。そのような状況のもと、各種疾患のガイドラインを遵守しつつ、他科とも密接に連携して症例ごとに最も適切な医療を提供すべく奮闘しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折  107 27.57 26.30 79.44 82.93
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)  84  14.51  14.27  1.19  25.22
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)  83  18.3  19.61  73.49  80.06
160760xx97xxxx 前腕の骨折  62  4.32  5.68  0  57.4
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)  43  26.02  24.26  44.19  73.93
(解説)
整形外科入院は983件と増加していました。
傷病名でみると、骨粗鬆症の進行に伴い骨折しやすい部位(大腿骨近位部、、橈骨、椎体)の骨折が上位を占めていました。
また、当院はスポーツ障害疾患への取り組みを強化しており、膝スポーツ外傷が2番目に多くなっています。
形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080010xxxx0xxx 膿皮症  17 14.29 12.51 0  55.65
020230xx97x0xx 眼瞼下垂  13  4.23  3.15  0  63.23
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)  12  5.92  5.37  0  26
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全  11  6.55  8.75  0  70.09
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患  10  4.6  2.85  0  63.9
070071xx97xx0x 骨髄炎(上肢以外)  10  32.7  31.18  10  69.3
(解説)
当科では、慢性創傷(膿皮症・毛巣洞・褥瘡潰瘍・糖尿病性難治性下肢潰瘍など)および、急性創傷(顔面外傷・切断に対する再接合術を含めた手足の外傷など)に対する手術を扱っております。
特に足の潰瘍に対してはチーム医療を構築し、多角的に診療を行うことで対応しており、県内遠方からも紹介を受けております。
本年度(2018年)より下肢静脈瘤に対するレーザー治療(血管内焼却術)の治療も開始したため適応あれば積極的に施術を行っており増加傾向にあります。
また、慢性腎不全患者における維持透析のためのブラッドアクセス関連手術も対応しております。
脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫 JCS10未満 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし  31 16.42 18.72 64.52 65.9
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術 処置2なし 副傷病なし  18  8.67  9.69  22.22  68.06
010060×2990401 脳梗塞 3日以内かつJCS10未満 手術なし 処置1なし 処置2:ラジカット(4) 副傷病なし RankinScale0~2  15  15.47  16.18  46.67  62.07
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし  13  4.31  7.28  0  69.62
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫 JCS10以上 脳内血腫除去術等 処置2:人工呼吸等  11  50.82  39.42  100  72.18
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし 11 7.82 7.35 9.09 68.45
(解説)
当院脳外科は救急搬送患者さんに対応することが多いため、主に脳卒中、頭部外傷が治療の対象となります。
特に急性期脳梗塞に対しては早期にtーPA治療、血管内治療可能な体制となっております。
入院後は早期にリハビリ開始、必要時はリハビリ専門病院へ転院を行い患者さんの社会復帰に貢献しております。
産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常  87 8.75 9.70 0 32.21
120170xx99x0xx 早産、切迫早産  43  12.19  19.69  4.65  31.63
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍  34  10.38  9.87  0  46.79
120165xx99xxxx 妊娠合併症等  27  8.33  11.80  0  30.85
120140xxxxxxxx 流産  26  1.04  2.45  0  34.58
(解説)
最も多い症例は既往帝王切開や骨盤位、分娩中の胎児機能不全や分娩停止による帝王切開例です。当科では24時間体制で緊急手術に対応、在院日数も全国より1日短くなっています。
切迫早産は37週未満での子宮収縮や子宮口開大傾向を来たし早産児分娩のリスクのある患者です。安静と薬物療法により妊娠期間の延長を図ります。
子宮の良性腫瘍は主に子宮筋腫で筋腫による過多月経、貧血、臓器圧迫による腰痛や頻尿等の症状により手術で改善を図ります。
眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患  467 3.03 2.84 0 73.67
020280xx97xxxx 角膜の障害  50 8.56  9.99  0  72.3
020250xx97xxxx 結膜の障害  15 2.07  3.37  0  72.93
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患  –  –  5.39  –  –
020220xx97xxx0 緑内障  –  –  8.00  –  –
(解説)
眼科の入院の多くは手術目的となります。

最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり2泊3日で行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。

また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。

特に、角膜移植治療に関しては、虹彩整復や瞳孔形成、硝子体切除を併施することも増えており、より難度の高い治療も可能な限り行う体制を整えております。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎  19 5.89 5.43 0 33.84
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍  11 6.55  7.37  0  59.73
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎  –  –  7.04  –  –
030400xx99xxxx 前庭機能障害  –  –  5.10  –  –
030270xxxxxxxx 上気道炎  –  –  4.96  –  –
030390xx99xxxx 顔面神経障害 9.26
(解説)
耳鼻咽喉科で最も多いのは、扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性喉頭・咽頭炎の患者さんです。発熱・咽頭痛があり食事が取れない場合や、喉頭浮腫による気道狭窄の可能性がある場合には、入院治療が必要になります。抗生剤点滴などを行い入院期間は約6日間ほどです。

2番目に多いのは頭頸部腫瘍の患者さんで、中でも唾液腺良性腫瘍が多く全身麻酔下で切除手術を行っております。

3番目に多い慢性副鼻腔炎では全身麻酔下で内視鏡下鼻・副鼻腔手術を行っております。2、3番ともに入院期間は約7日間ほどです。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍  20 8.9 7.20 0 71.2
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症  20  18.7  12.58  5  81.15
110420xx02xx0x 水腎症等  20  9.00  4.29  15  83.75
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患  11  13.55  7.13  9.09  69.18
11013xxx99xxxx 下部尿路疾患  11  17.64  9.41  9.09  78.36
(解説)
泌尿器科では、尿路感染症の入院件数が多くなっています。内訳として、膿腎症、急性腎盂腎炎、結石性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎等があり、一部敗血症でICU管理された方も含まれます。治療としては、輸液、抗生剤投与、尿管結石の閉塞による結石性腎盂腎炎の場合は、経尿道的尿管ステント留置術を施行しています。尿管ステント留置出来ない場合は、背中から経皮的腎瘻で対処する場合もあります。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 17 11 1 第7,8版
大腸癌 15 18 41 31 22 1 第7,8版
乳癌 38 36 14 16 1 第7,8版
肺癌 24 26 16 1 第7,8版
肝癌 16 24 1 第7,8版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

(項目説明)

5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発の癌取扱規約病期分類別、 および再発に分けて集計しています。

平成30年度中に退院した延べ患者数となっております。つまり、集計対象期間中に複数回入院された患者さんも複数回カウントしています。

◇UICC病期分類

国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

◇癌取扱い規約病期分類

日本で編集されている規約で、臓器別に国内の学会や研究会によって編集され、20を超える癌取扱い規約があります。UICC同様、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

※原発巣・・・癌が最初に発生した場所にある病巣

(解説)

今回のデータは、がん治療成績を示すものではありませんので、データをご覧になる際はご注意下さい。

当院は、日本がん治療認定医機構の認定研修施設として、がん予防、診断、治療にも力を入れ、多くの実績をあげております。③「初発の5第癌のUICC病期分類並びに再発患者数」の表から当院の初発件数を見てみますと、大腸が一番多く、次いで、乳腺、肺、胃、肝臓の順となっております。では、臓器別に解析をいたします。

胃癌に関しましては、近年、検診の普及や治療技術の進歩により、死亡率は減少していると言われますが、依然として罹患率は高く、2017年の部位別癌死亡数におきましては、男女計3位と、今日においても胃癌は主要な悪性疾患の一つです。ステージⅢ、Ⅳ、再発の症例は、化学療法などで、入退院を繰り返す患者さんを重複して集計している影響もありますが、当院では、進行癌ステージⅣが最も多く、次いで早期癌ステージⅠとなっております。進行癌は、手術や化学療法などが主体となり、患者さんの状態に合わせた治療を行っております。手術に関してましては、安全で確実な手技を第一に考え、低侵襲(腹腔鏡を用いた傷の小さい方法)を追求し、患者さんの負担の小さい優しい治療を目指しております。ステージⅠは、近年胃癌の早期発見の必要性が高まったことにより検査を受ける方が増えたことが要因と思われます。当院は、早期発見、早期治療にも積極的に取り組み、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も導入しております。

大腸癌は、全国的に増加傾向にあり、沖縄県では2014年に大腸癌による死亡率が全国ワースト2位である事がわかり、現在でも深刻な問題となっております。当院でも大腸癌の症例は多く、病期別ではステージⅢが最も多く、次いでⅣとなっております。胃癌同様、化学療法などの重複集計の影響もありますが、初診時より進行癌と診断される患者さんが多いのが現状です。大腸癌は、早期に診断、治療が開始できれば根治が可能な癌であり、当院では「大腸癌早期発見プロジェクト」を立ち上げ、入院患者さんに対し、便潜血の無料検査を実施し大腸癌死亡率低下を目指しております。プロジェクトにより2名の大腸癌の患者さんを発見することができました。

乳癌は、国の統計によりますと、女性のがん罹患率1位となっておりますが、当院も同様で年々増加傾向にあります。当院では、ステージⅠ、Ⅱの早期癌が最も多く、乳癌検診の推奨と受診率向上の影響が考えられます。当院では、乳房再建を行う形成外科医が常勤しており、乳輪、乳頭形成術も可能です。また、個々の状況に応じて治療方針を決定し、乳癌看護認定看護師による「がん患者カウンセリング」体制も整っており、きめ細かな対応を目指しております。

肺癌に関しましても、化学療法などで入退院を繰り返す患者さんを重複して集計している影響もありますが、ステージⅢ、Ⅳの進行癌と診断される患者さんが多く、治療は呼吸器内科による化学療法が主体となりますが、手術、放射線治療が必要な患者さんは、肺癌専門医療機関と連携し、対応しております。肺癌で初発の病期分類が不明となっている方が多い理由としては、治療前の検査入院に該当する患者さんが多く、入院中に検査結果が出ていないため、不明となってしまうことが挙げられます。

肝癌は、リンパ節、遠隔転移のないステージⅡが最も多く、次いでステージⅠとなっております。当院は、肝臓内科を標榜し、県全域から紹介があり、RFA(ラジオ熱波凝固療法)、TACE(肝動脈塞栓)、外科医による肝切除術を行っております。肝癌は、再発率が高く、当院の患者さんも初回治療後の再発として、入院治療をされる方の割合が多くなっております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 54 7.78 50.89
中等症 193 14.13 78.33
重症 47 25.62 85.04
超重症 11 20.09 85.45
不明

(解説)
成人市中肺炎の総数は15%減少し、超重症の割合も減少しています。重症度別患者数では中等症が一番多い患者層で、平均在院日数は14.13日間でした。軽症は若い患者層で平均在院日数も7.78日間と短くなっています。重症・超重症の平均年齢は80才以上の高齢者で、在院日数も長くなる傾向がありました。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 137 25.71 76.82 46.05
その他 15 24.33 72.2 3.29

(項目説明)
脳梗塞の病型別の症例数、症例割合、発症日から3日以内・その他、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
○ICD‐10コード
「疾病及び関連保険問題の国際頭頚分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の略称で、死因や疾病の国際的な統計基準として、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した分類です。
現在の最新版は国際疾病統計分類 第10回修正(ICD‐10)が採択されています。
○平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
○転院率
該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合。

(解説)

「脳梗塞」と診断された患者さんの約9割の症例が発症3日以内でした。

当院では脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者の割合は87.6%と高く(昨年度は91.2%)、また、脳梗塞発症から短時間でt-PA治療、血管カテーテルによる血栓除去術も行っております。

脳卒中地域連携パスも運用しており、地域の回復期病院や開業医と連携を行なっております。

※表は一般社団法人日本病院会「2018年度QIプロジェクト フィードバックデータサマリー」から引用

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

(項目説明)
症例数の多い手術件数を各診療科別に集計した上位5つを掲載しています。 (定義)

手術術式の点数表コード(Kコード)による集計とし、輸血関連(K920$)や創傷処理などの軽微な手術、加算等は除外としています。

指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。

・Kコード
以下点数表で定められた、手術術式の点数表コードです。

・名称

手術術式の名称です。同一のKコードで複数の部位が対象となる手術は、
部位別に集計しています。

(例)整形外科K0461 骨折観血的手術(大腿)82件と

K0461 骨折観血的手術(上腕)15件は別集計。

・平均術前日数

入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

・平均術後日数

手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

・転院率

該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)する
こととなった患者さんの割合です

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 280 0.05 1.03 0 63.56
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 61 2.21 2.49 0 68.8
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 37 7.22 7.51 10.81 74.16
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 27 5.78 9.26 3.7 68.63
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 24 0.08 15 12.5 69.29
(解説)
消化器内科では、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなっています。粘膜切除術後は経過観察目的で1泊入院していますが、ほとんどの症例が合併症もなく、手術翌日に退院しています。今後は症例によってコールドポリペクトミーを行い、日帰り手術も可能な体制にしたいと考えます。 消化器内科で次に多いのが総胆管結石や閉塞性黄疸の治療のために行う内視鏡的胆道ステント留置術です。膵炎の膵石の患者さんに対する内視鏡膵管ステント留置術も積極的に行っています。循環器内科では、狭心症や心筋梗塞患者に対して、経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。心筋梗塞は時間との勝負であり、救急部と循環器内科の連携をスムーズにして、より短時間で手術が行えるような体制を整えています。
小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 10 0 5.1 10 0
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの)
K300 鼓膜切開術
(解説)
乳幼児の耳鼻咽喉科関連の感染症疾患の入院は小児科で管理しており、必要時は耳鼻咽喉科にコンサルトし、鼓膜切開術が施行されることがあります。 小児外科や外科のバックアップの元、非観血的腸重積症整復術を小児科で施行しています。小児の皮フ感染症も小児科で管理しており、必要時は外科や形成外科にコンサルトし、皮フ切開術が施行されることがあります。当院には産科があり、新生児仮死の蘇生を行っています。産科分娩数の増加に伴い、新生児への小児科介入例が増加しています。

他科入院での手術症例も、乳幼児小児の場合、小児科コンサルトがあり、術前診察等の協力をしています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 171 1.04 1.11 0 42.71
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 111 1.61 4.87 0 63
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化療法(四段階注射法)) 58 0.16 0.12 0 64.33
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 43 0.21 3.35 0 39.3
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 28 3.61 110.4 3.57 69.68
(解説)
手術を要する疾患で入院した患者様の術式で多い順に、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、痔核手術、腹腔鏡下虫垂切除術、腹腔鏡下結腸悪性切除術となっています。また、近年では大腸癌や乳癌の症例が増加傾向にあります。胃癌や大腸癌など悪性疾患に対する腹腔鏡手術は進行度に応じて適応としています。一方、良性疾患には可能な限り腹腔鏡手術を行うようにしており、ヘルニアや胆嚢摘出術、虫垂切除術はほとんど腹腔鏡手術です。結果として、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術では術後在院日数が1.11日、腹腔鏡下胆嚢摘出術では、4.87日、腹腔鏡下虫垂切除術では、3.35日、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術では、11.04日と良好な成績となっています。また、乳癌ではセンチネルリンパ節生検を用いた温存療法を行っているだけでなく、形成外科の協力のもと乳房再建も行っています。痔核(いぼ痔)の手術は切らなくても良い手術、ジオン硬化療法も行っています。食道アカラシアという比較的まれな疾患に関しては、POEMという内視鏡手術を行っています。このように各領域の疾患に対して、安全性と根治性を重視した上で、低侵襲手術(傷の小さい、体に負担が少ない手術)を追求しています。
整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 84 2.35 22.14 71.43 80.48
K0821 人工関節置換術(股) 64 3.31 21.98 42.19 72.22
K0462 骨折観血的手術(前腕) 56 2.23 9.02 8.93 60.79
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 56 1.52 13.13 1.79 23.8
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 48 1.31 2.04 0 43.58
(解説)
入院症例数と同じく、髄内釘やプレートを使用し骨折部の骨接合を行う、大腿骨骨折観血的手術が最多でした。 近年人工骨関節の品質が向上し、安定した成績が得られるようになってきた人工股関節置換術・人工膝関節置換術は2番目に多くなっていました。骨粗鬆症の進行に伴い骨折しやすい部位の一つである前脚(橈骨)骨折観血的手術が3番目に多くなっていまた。当院では、膝スポーツ障害疾患への取り組みを強化しており、膝前十字靱帯に対する再建術が4番目に多くなっていました。膝前十時靱帯再建術の増加に伴い、術後抜釘も増えるため骨内異物除去術(下腿)が5番目に多くなっていました。
形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K610-3 内シャント設置術 16 0.63 4.44 0 69.38
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K476-31 動脈(皮)弁及び筋(皮)弁を用いた乳房再建術(乳房切除後)(一次的に行うもの)
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術
K8282 包茎手術(環状切除術)
(解説)
当科で行うブラッドアクセスの手術の対象症例は、術後早期のトラブルに直ちに対応できるよう基本的には1泊入院管理としております。乳癌に対する自家組織を利用した再建術にも対応しております。近隣クリニックからの照会による皮膚皮下腫瘍摘出術、四肢軟部腫瘍摘出術は可能な限りで当日日帰り手術として年間500件以上を数えておりますが、その中で比較的大きな病変や安静管理を要するものについては積極的に入院管理を行っております。また、今年より、下肢静脈瘤に対する血管内焼却術(レーザー治療)の実施施設及び実施医として認定を受け、施術を開始しており、今後増えるものと予測されます。
脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) 10 0.7 12.1 40 78
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
K1781 脳血管内手術(1箇所)
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術
K145 穿頭脳室ドレナージ術
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術
(解説)
脳出血に対しては神経内視鏡手術を行い、より低侵襲、短時間での手術が可能となりました。脳動脈瘤手術に対しても第一選択は血管内手術として低侵襲治療を優先しております。また、頸動脈狭窄に対しても血管内ステント留置術を行い、脳梗塞予防治療を行っております。
産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 85 2.16 6.84 0 31.98
K877 子宮全摘術 30 2.7 9.77 3.33 51.87
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 27 0.96 3.85 0 43.04
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 25 4.48 6.84 0 32.88
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式)) 16 1 5.25 0 70.25
K909-2 子宮内容除去術(不全流産) 16 0 0 0 35.13
(解説)
1番目と4番目に多い手術症例は既往帝王切開や骨盤位で予定を決めて行う選択帝王切開と分娩中の胎児機能不全や分娩停止による緊急帝王切開です。当科では24時間体制で緊急手術に対応しております。子宮付属器腫瘍手術は主に卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術で腫大卵巣腫瘍部のみ核出し、また切開創部が数mmと小さいため術後の疼痛が緩和され、社会復帰も早いのがメリットです。
眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 467 1.01 1.02 0 73.72
K259 角膜移植術 38 1.03 8.61 0 73.21
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) 15 0.07 1 0 72.93
K279 硝子体切除術
K269 虹彩整復・瞳孔形成術
(解説)
眼科の入院の多くは手術目的となります。最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり2泊3日で行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。その他、角膜移植治療に関連して、虹彩整復や瞳孔形成、硝子体切除を併施することも増えており、より良い角膜移植治療に必要な治療も可能な限り行う体制を整えております。
耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術)
K3892 喉頭ポリープ切除術(直達喉頭鏡によるもの)
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術
K3772 口蓋扁桃手術(摘出)
K4572 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺深葉摘出術)
(解説)
最も件数の多い手術は内視鏡を用いた鼻・副鼻腔手術です。3型、4型はいずれも慢性副鼻腔炎に対する手術ですが、病変の範囲で分類されます。また、アレルギー性鼻炎を合併した症例については、経鼻腔的翼突管神経切除術を同時に施行する場合もあります。耳下腺腫瘍については、良性腫瘍を対象にしております。腫瘍の部位によって浅葉切除あるいは深葉切除を行います。喉頭ポリープ切除術は、声帯腫瘤(結節やポリープ)に対して施行しております。口蓋扁桃摘出術、習慣性扁桃炎や扁桃肥大に対して行っております。
泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 35 3.14 7.17 17.14 78.71
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 18 2.61 5.56 0 71.56
K8412 経尿道的前立腺手術(その他のもの)
K830 精巣摘出術
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術)
(解説)
泌尿器科では尿管ステント留置術が最も多い手術となっています。これには新規と定期交換が含まれています。新規の場合は、結石性腎盂腎炎(一部敗血症も含む)に対して緊急で尿管ステント留置しています。定期交換は、施設入所中で寝たきりの高齢者が多く、4-5ヶ月ごとに交換しています。経尿道的膀胱腫瘍切除術に関しては、早期のものであれば退院後外来でのBCG膀胱内注入療法へ移行し、浸潤があれば琉大病院等に紹介し膀胱全摘尿路変更術等依頼しています。膀胱結石に対しては、対外衝撃波結石破砕術の適応がないため経尿道的に破砕施行しています。そのほかには前立腺肥大症に対して経尿道的前立腺切除術を施行しています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 16 0.19
異なる 15 0.18
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 51 0.6
異なる

(項目説明)
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の患者数を症例数とカウントし、全入院患者に対する発症率も同時に掲載した。

発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とし、少数第2位までを表示している。

・指標に示されるそれぞれの用語説明

○DPCコード

病名や医療行為等を数字やxを用いて14桁で表示されるコードのこと。ここでは14桁のうち、病名となる上から6桁を表示しています。したがって、医療行為等は含まれていません。

○播種性血管内凝固症候群

感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。

○敗血症

感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。

○真菌症

真菌による感染症です。

○手術・処置などの合併症

手術や処置などに一定の割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。

○入院契機

DPCコードにて分類される主病名とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられます。

○発生率

全入院患者さんのうち、該当の病気で発症した患者さんの割合です。

(解説)厚生労働省による平成29年度のDPC 対象病院の全国平均では、(上から)「播種性血管内凝固症候群」が0.16%、「敗血症」が0.57%、「その他の真菌感染症」が0.04%、「手術・処置等の合併症」が0.76%でした。

当院の数値は、「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」、「手術・処置等の合併症」の全てにおいて全国平均よりは低い値を示しています。

更新履歴
2019年9月27日

平成30年度病院情報を公開しました。