医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数(診療科別症例数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 875 209 196 399 533 798 1,387 1,515 1,607 768
年齢階級別退院患者数のグラフ

(解説)
 当院は「わたしたちは心と心を結ぶ信頼される医療をめざします」を理念とし、地域医療支援病院として沖縄県中南部東海岸の中核病院として質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。 当院の入院患者さんは60歳代から80歳代が多く、60歳代以上の患者さんが全体の約63.7%を占めています。昨年度の退院患者数は7,853名でした。434名の退院患者数増となっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

(項目説明)
診療科ごとに症例数の上位3つの診断群分類(DPC14桁分類=DPCコード)について集計しています。
項目はDPC14桁分類に対する症例数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢、患者用パスの有無で、指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。

◇DPC14桁分類(DPCコード)

診断群分類を表すコードです。医師によって決定される主病名と、一連の入院期間中に行われた医療行為の組み合わせによって分類されますので、同じ主病名でも医療行為が違えばDPCコードも異なります。

◇DPC名称
14桁の数字はどのような病気と治療方法で分類されているかを表します。全てに意味をもち、全国共通のコードとして使用されております。

◇平均在院日数(自院)
当院へ入院していた患者さんの在院日数を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。

◇平均在院日数(全国)
厚生労働省から公表されている、平成27年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。ただし、在院日数から外泊日数が除かれた数値になります。

◇転院率
該当する症例数のうち、当院から他病院に移動して入院継続(転院)することとなった患者さんの割合です。

◇平均年齢
当院へ入院していた患者さんの年齢を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。

内科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症、手術なし、副傷病なし 232 13.35 12.43 4.31% 80.66
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 213 19.01 21.25 10.33% 85.28
050130xx99000x 心不全、手術なし、手術・処置等1なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 106 16.68 17.95 8.49% 81.91
0400800499x00x 肺炎等(市中肺炎以外 かつ75歳以上)、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 75 14.65 18.68 4.00% 87.67
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫、手術なし、手術・処置等2・4あり、副傷病なし 67 15.25 16.83 0.00% 73.03

(解説)内科では腎臓または尿路の感染症の患者さんが最も多く入院していました。2番目に多い誤嚥性肺炎、3番目の心不全、4番目の肺炎等まで平均年齢は80才以上の高齢者でした。昨年は1番目に多かった肺炎等は診断名が細分化されて減少していますが、総数は493名と昨年より増加していました。5番目の非ホジキンリンパ腫は当院の特徴の一つである血液内科疾患を反映しています。

小児科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)、副傷病なし 159 5.09 6.02 0.00% 1.03
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満)、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 121 5.03 5.79 0.00% 4.21
080270xxxx0xxx 食物アレルギー、手術・処置等1なし 113 2.00 2.62 0.00% 1.87
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 90 3.81 6.18 2.22% 0.00
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎、手術・処置等2なし 65 4.17 5.50 0.00% 3.11

(解説) 小児科では、RSウイルスをはじめとするウイルス感染が契機となる急性細気管支炎の症例が多くなっています。保育園などの集団生活を始める時期と、RSウイルスの流行時期が重なることもあり、3月から8月の入院が増加し、年齢も0才~2才が多くなる傾向があります。ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスによるウイルス性腸炎での入院が感染症の入院の中では、気道感染症の次に多くなっています。幼児や学童は気管支喘息発作の入院があり、8月にはレプトスピラの集団感染による入院がありました。

平成27年4月から小児アレルギー外来を開設し、食物負荷試験入院が110件と食物アレルギー関連の入院が増加しています。 また、当院には産科があり、新生児黄疸や新生児仮死、新生児一過性多呼吸などの新生児疾患は小児科が管理しております。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060335xx02000x
(胆石性胆嚢炎)
胆嚢水腫、胆嚢炎等、腹腔鏡下胆嚢摘出術等、手術・処置等1なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 59 9.37 7.61 0.00% 62.24
060102xx99xxxx
(憩室炎)
穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患、手術なし 46 8.33 7.89 0.00% 55.00
060330xx02xxxx
(胆石症)
胆嚢疾患(胆嚢結石など)、腹腔鏡下胆嚢摘出術等 41 7.17 6.82 0.00% 54.76
080011xx99xxxx
(蜂窩織炎)
急性膿皮症、手術なし 40 10.23 11.97 2.50% 73.95
060210xx99000x
(イレウス)
ヘルニアの記載のない腸閉塞、手術なし、手術・処置等1なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 36 9.06 9.08 0.00% 75.00

(解説)外科で入院治療となる疾患で、最も多い疾患は胆石性胆嚢炎で、次いで大腸の憩室炎、蜂窩織炎、イレウス(腸閉塞)と続きます。その他悪性疾患としては、胃癌や大腸癌、乳癌が多く、手術治療だけではなく抗がん剤治療も担当しています。良性疾患としては成人、小児の鼠径ヘルニアや肛門疾患が多く、それぞれの専門医が担当しています。昨今、超高齢化社会の到来で複数の併存疾患を持った患者様を治療することが当たり前となってきています。そのような状況のもと、各種疾患のガイドラインを遵守しつつ、他科とも密接に連携して症例ごとに最も適切な医療を提供すべく奮闘しています。

整形外科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折、人工骨頭挿入術 肩、股等 106 30.27 27.63 75.47% 82.61
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)、腱縫合術等 73 17.26 11.91 0.00% 25.07
160760xx97xx0x 前腕の骨折、手術あり、副傷病なし、 72 3.57 5.49 0.00% 49.35
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)、手術なし 60 27.68 20.57 63.33% 79.40
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼、手術あり、副傷病なし、 42 2.93 4.37 0.00% 31.48

(解説)入院は835件でした。傷病名でみると、骨粗鬆症の進行に伴い骨折しやすい部位(大腿骨近位部・橈骨・椎体)の骨折が上位を占めていました。また、当院はスポーツ障害疾患への取り組みを強化しており、膝スポーツ外傷が2番目に多くなっています。

形成外科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080011xx99xxxx 急性膿皮症、手術名なし 18 15.39 11.97 0.00% 64.22
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)、手術鼻骨骨折整復固定術等、手術・処置等1なし、手術・処置等2なし 12 10.58 5.80 0.00% 46.50
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全、手術動脈形成術、吻合術 その他の動脈等、手術・処置等2なし、副傷病なし、 10 8.50 8.87 0.00% 64.50
160660xxxx0xxx 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創、手術・処置等1なし 15.25 10.41 0.00% 65.00
080070xx97xxxx 慢性膿皮症、手術あり 17.43 11.03 0.00% 29.43

(解説)形成外科では、慢性創傷として褥瘡、膿皮症、毛巣洞、糖尿病性難治性下腿潰瘍などを、急性創傷として顔面骨骨折を含む顔面や四肢の外傷に対する手術加療を多く扱っております。外用治療で治療が得られない症例の紹介を多く受け、そのような症例では積極的に皮弁移植術や皮膚移植術などを利用して早期の創治癒を目指しております。また、マイクロサージャリーの技術を駆使した慢性腎不全患者における維持透析のためのブラッドアクセス関連手術も行っております。

眼科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020280xx97xxxx 角膜の障害、手術あり 41 11.80 11.07 0.00% 71.66
020250xx97xxxx 結膜の障害、手術あり 34 2.15 3.40 0.00% 65.88
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患、手術あり、片眼 3.40 2.91 0.00% 81.20
160250xxxx0xxx 眼損傷、手術・処置等1なし 2.33 4.90 0.00% 87.67
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症、手術その他の手術あり、手術・処置等2なし 3.00 15.58 0.00% 80.00

(解説) 眼科の入院の多くは手術目的となります。最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり2泊3日で行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。

脳神経外科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷、手術その他の手術あり、、手術・処置等2なし、副傷病なし 36 9.94 9.87 19.44% 76.69
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 30 15.20 19.35 40.00% 67.53
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 25 9.52 7.52 16.00% 64.32
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中の発症時期が3日以内 かつ入院時JCS10未満)、手術なし、手術・処置等1なし、手術・処置等2・4あり、副傷病なし、発症前Rankin Scale 0、1及び2 16 14.69 16.54 12.50% 62.63
010230xx99x00x てんかん、手術なし、手術・処置等2なし、副傷病なし 11 8.55 7.12 18.18% 63.09

(解説)脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。当院では内科的治療、外科的治療を行っておりますが、特に開頭せずに治療する血管内治療を優先しております。緊急手術が必要な場合は救急部、手術室部と連携して早期対応が出来るように努めております。

産婦人科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常、手術子宮全摘術等、 37 8.81 9.88 0.00% 33.46
120170xx99x0xx 早産、切迫早産、手術なし、手術・処置等2なし 20 11.70 20.79 15.00% 31.50
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍、手術子宮全摘術等 20 9.85 10.05 9.44% 45.85
120090xx97xxxx 生殖器脱出症、手術あり 17 9.59 9.44 0.00% 68.47
120100xx01xx0x 子宮内膜症、手術子宮全摘術等、副傷病なし 15 7.53 7.92 0.00% 38.80

(解説) 最も多い症例は既往帝王切開や骨盤位、分娩中の胎児機能不全や分娩停止による帝王切開例です。当科では24時間体制で緊急手術に対応、在院日数も全国平均より1日短くなっています。切迫早産は37週未満での子宮収縮や子宮口開大傾向を来たし早産児分娩のリスクのある患者です。安静と薬物療法により妊娠期間の延長を図ります。

子宮の良性腫瘍は主に子宮筋腫で筋腫による過多月経、貧血、臓器圧迫による腰痛や頻尿等の症状により手術で改善を図ります。

生殖器脱出症は高齢者の子宮下垂、子宮脱で排尿障害を多く合併します。経膣的に根治手術(子宮全摘、膣壁形成)を基本としますが全国平均の在院日数と比較して約3日短いという特徴があります。

流産はおよそ10回に1回の妊娠で発生します。受精卵は自然排出することもありますが出血や下腹痛を伴うことが多く、予定手術(流産手術)を組むことや大量出血を止血するため緊急で手術する場合もあります。

子宮内膜症は月経困難、過多月経を訴え不妊の原因にもなる炎症性疾患です。特に卵巣に発生すると内部に血液が貯留しチョコレート嚢胞となり疼痛の原因になります。

泌尿器科

DPC
コード
DPC名称 患者数 平均在院日数
(自院)
平均在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症、手術なし、副傷病なし 33 8.79 12.43 0 70.67
110420xx97xx0x 水腎症(その他)、手術その他の手術あり、副傷病なし 22 5.91 5.33 0 87.32
110070xx0200xx 膀胱腫瘍、手術膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術、手術・処置等1なし、手術・処置等2なし 15 7.73 7.44 0 69.20
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患、手術その他の手術あり、副傷病なし 13 9.31 7.08 23.08% 73.77
11012xxx020x0x 上部尿路疾患、手術経尿道的尿路結石除去術等、手術・処置等1なし、副傷病なし 4.78 5.83 0 54.56

(解説)泌尿器科では、尿路感染症の入院件数が多くなっています。内訳として、膿腎症、急性腎盂腎炎、結石性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎等があり、一部敗血症でICU管理された方も含まれます。治療としては、輸液、抗生剤投与、尿管結石の閉塞による結石性腎盂腎炎の場合は、経尿道的尿管ステント留置術を施行しています。尿管ステント留置出来ない場合は、背中から経皮的腎瘻で対処する場合もあります。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期
分類基準
版数
  StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ 不明
胃癌 12 15 2 第14版
大腸癌 18 25 26 30 10 2 第8版
乳癌 24 30 2 第17版
肺癌 13 15 14 2 第7版
肝癌 12 11 47 2 第6版

※1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

(項目説明) 5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発の癌取扱規約病期分類別、 および再発に分けて集計しています。

平成28年度中に退院した延べ患者数となっております。つまり、集計対象期間中に複数回入院された患者さんも複数回カウントしています。

◇UICC病期分類

  国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

◇癌取扱い規約病期分類

 日本で編集されている規約で、臓器別に国内の学会や研究会によって編集され、20を超える癌取扱い規約があります。UICC同様、①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移の有無(M)の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

  ※原発巣・・・癌が最初に発生した場所にある病巣(解説)

  当院は、日本がん治療認定医機構の認定研修病院として、がんの予防、診断、治療にも力を入れ、がん治療に多くの実績をあげております。

 ③「初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数」の表から当院の初発件数を見ますと、大腸(結腸・直腸)が一番多く、次いで乳腺、肺、肝、胃の順となっております。

 大腸がんに関しては、StageⅣが一番多く、次いでStageⅢとなっており、進行されてから診断される方が多いのがわかります。また、平成26年(2014年)沖縄県は大腸がんの死亡率が全国ワーストとの報告を受け、当院では、大腸がん早期発見プロジェクトを立ち上げました。こちらは、入院患者さんに対し、便潜血の無料検査を実施し、早期で大腸がんを発見することにより、沖縄県の大腸がん死亡率低下を目指すことを目的としております。(無料便潜血対象者:入院予定者、2泊以上、35歳以上、1年以内大腸がん検査無しの方。今後拡大予定あり)

 胃癌は、StageⅣが最も多くなっており、手術や化学療法など患者さんの状態にあわせた治療を実施しています。また、早期診断、早期治療にも積極的に取り組み、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も導入しております。手術に関しても、安全で確実な手技を第一に考え、次に低侵襲(腹腔鏡を用いた傷の小さい方法)を追求し、患者さんに負担の少ない優しい治療を目指しております。

 乳がんは、当院では乳房再建を行う形成外科医が常勤しており、乳房全摘により失った乳房、乳輪、乳頭は再建が可能です。また、個々の状況に応じて治療方針を決定しており、乳がん看護認定看護師による「がん患者カウンセリング」体制も整っており、きめ細やかな対応を目指しております。

 肺がんは、呼吸器内科で診療を行い、化学療法が治療の主体となりますが、手術、放射線治療が必要な患者さんは、肺がん専門医療機関と連携し対応しております。肺がんで、初発の病期分類が不明となっている症例が多い理由としては、治療前の検査入院に該当する患者さんが多く、入院中に検査結果がでていないため、病期分類が不明となってしまうことが挙げられます。

 肝がんは、県全域から紹介があり、RFA(ラジオ波熱凝固療法)、TACE(肝動脈塞栓)、肝切除術を行っております。肝がんは、再発率が高く、当院の患者さんも、初回治療後の再発として入院治療をされる方の割合が多くなっております。

  再発、進行がんの症例では、化学療法が主体となりますが、当院では外来化学療法室を整備し、化学療法認定看護師、薬剤師とともに治療、副作用対策を行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均在院日数 平均年齢
重症度 0 65 10.42 48.45
重症度 1 121 11.34 77.33
重症度 2 89 13.72 81.39
重症度 3 45 18.69 84.38
重症度 4 10 25.3 87.1
重症度 5
不明

(項目説明)

成人市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。重症度は、成人市中肺炎診療 ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(A-DROP)を用いて分類しました。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。また、成人の肺炎の指標なので、小児肺炎も集計対象外となります。

●成人市中肺炎普段の生活の中で成人がかかる肺炎のことです。(解説)成人市中肺炎の重症度別では重傷度0から2までの群が多い患者層でした。
重症度が上がる毎に平均年齢と平均在院日数が上昇しており、重症患者には基礎疾患を持っている高齢者が多い事が考えられました。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院
日数
平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作および関連症候群 3日以内 11 4.82 68.82 0
G45$ 一過性脳虚血発作および関連症候群 その他
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 その他
I63$ 脳梗塞 3日以内 139 22.55 77.16 39.33
I63$ 脳梗塞 その他 11 27.18 68.27 2.67
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの その他
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの その他
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> その他
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内
I679 脳血管疾患,詳細不明 その他

(項目説明)

 脳梗塞の病型別の症例数、症例割合、発症日から3日以内・その他、平均在院日数、

平均年齢、転院率を集計しました。

○ICD‐10コード

 「疾病及び関連保険問題の国際頭頚分類:International Statistical Classification

of Diseases and Related Health Problems」の略称で、死因や疾病の国際的な統計基準として、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した分類です。

 現在の最新版は国際疾病統計分類 第10回修正(ICD‐10)が採択されています。

○平均在院日数

 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

○転院率

 該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合。(解説)

「脳梗塞」と診断された患者さんの約9割の症例が発症3日以内でした。

当院では「脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者の割合は91.1%と高く(昨年度81.2%)、また脳卒中地域連携パスも運用しており、地域の回復期病院や開業医と連携を行なっております。

cerebral infarction


出典:日本病院学会QIプロジェクト2016 ベンチマーク資料から。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

(項目説明)
症例数の多い手術件数を各診療科別に集計した上位5つを掲載しています。 (定義)

手術術式の点数表コード(Kコード)による集計とし、輸血関連(K920$)や創傷処理などの軽微な手術、加算等は除外としています。

指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。

・Kコード
以下点数表で定められた、手術術式の点数表コードです。

・名称

手術術式の名称です。同一のKコードで複数の部位が対象となる手術は、
部位別に集計しています。

(例)整形外科K0461 骨折観血的手術(大腿)82件と

K0461 骨折観血的手術(上腕)15件は別集計。

・平均術前日数

入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

・平均術後日数

手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

・転院率

該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)する
こととなった患者さんの割合です。

内科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 369 0.22 1.35 0.00% 63.74
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 66 1.86 5.92 0.00% 72.82
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 42 3.62 9.74 0.00% 57.52
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 34 1.50 8.79 0.00% 67.91
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 25 0.04 10.68 0.00% 74.48

(解説)
消化器内科では、大腸ポリープや早期大腸癌に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなっています。粘膜切除術当日は経過観察目的で1泊入院していますが、ほとんどの症例が合併症もなく、手術翌日に退院しています。次に多いのが食道や胃の静脈瘤に対する内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術です。これらの症例のうち、約70%は吐血を主訴に救急外来を受診し、緊急で静脈瘤結紮術を施行しています。残りの30%の症例は出血予防目的で、予定手術としての静脈瘤結紮術を施行しています。入院期間は10日から2週間です。その次に多いのは、肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法で、腫瘍径が5cm以内の症例が主に対象になっています。入院期間は約10日です。
循環器内科では、狭心症や急性心筋梗塞患者に対して、経皮的冠動脈ステント留置術を行なっていいます。急性心筋梗塞は時間との勝負であり、救急部と循環器内科の連携をスムーズにして、より短時間で手術が行えるような体制を整えています。入院期間は7日~10日です。

小児科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K300 鼓膜切開術 11 3.64 4.73 0.00% 2.45
K7151 腸重積症整復術(非観血的) 0.33 3.33 0.00% 1.33
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 0 6 0.00% 0
K0011 皮膚切開術(長径10cm未満) 0 0 0.00% 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 0 14 0.00% 0

(解説)
乳幼児の耳鼻咽喉科関連の感染症疾患の入院は小児科で管理しており、必要時は耳鼻咽喉科にコンサルトし、鼓膜切開術が施行されることがあります。
 小児外科や外科のバックアップの元、非観血的腸重積症整復術を小児科で施行しています。
 小児の皮フ感染症も小児科で管理しており、必要時は外科や形成外科にコンサルトし、皮フ切開術が施行されることがあります。
 当院には産科があり、新生児仮死の蘇生を行っています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 131 1.16 1.27 0 42.56
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 108 4.17 4.69 0 61.07
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化療法(四段階注射法)) 53 0.08 0.19 0 61.06
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 6.00 14.80 0 68.37
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 27 0.56 3.89 0 38.56

(解説)
手術を要する疾患で入院した患者様の術式で多い順に、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、痔核手術、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、腹腔鏡下虫垂切除術となっています。近年大腸癌症例が増加傾向にあり、当院でも4位位置しています。胃癌や大腸癌など悪性疾患に対する腹腔鏡手術は進行度に応じて適応としています。一方、良性疾患には可能な限り腹腔鏡手術を行なうようにしており、ヘルニアや胆嚢摘出術はほとんど腹腔鏡手術です。結果として、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術では術後在院日数が1.27日、腹腔鏡下胆嚢摘出術では4.69日と良好な成績となっています。 また、乳癌でもセンチネルリンパ節生検を用いた温存療法を行なっています。痔核(いぼ痔)の手術は切らなくても良い手術、ジオン硬化療法も行なっています。食道アカラシアという比較的まれな疾患に対しては、POEMという内視鏡手術を行なっています。

このように各領域の疾患に対して、安全性と根治性を重視した上で、低侵襲手術(傷の小さい、体に負担が少ない手術)を追求しています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 113 3.44 21.61 0.00% 76.63
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿・前腕) 61 0.52 1.87 0.00% 44.34
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿・手舟状骨) 51 1.65 8.00 0.00% 51.96
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 50 1.20 17.70 0.00% 23.02
K0821 人工関節置換術(膝・股・肩) 48 3.06 29.38 0.00% 69.48

(解説)
 入院症例数と同じく大腿骨骨折観血的手術が最多で、髄内釘やプレートを使用し骨折部の骨接合を行う手術です。
 骨粗鬆症の進行に伴い、骨折しやすい部位の一つである前腕(橈骨)骨折観血的手術は3番目に多くなっていました。
 当院では、膝スポーツ障害疾患への取り組みを強化しており、膝前十字靭帯損傷に対する靭帯再建術が4番目に多くなっていました。また、近年人工関節の品質が向上し安定した成績が得られるようになり、人工膝関節置換術・人工股関節置換術が増加しています。
 橈骨骨折観血的手術・膝前十字靭帯再建術の増加に伴い術後抜釘も増えたため、骨内異物除去術(大腿・前腕)が2番目に多くなっていました。

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K610-3 内シャント設置術 13 0.77 6.31 7.69% 65.00
K016 筋(皮)弁術 13.88 33.38 0.00% 54.75
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) 3.86 6.43 0.00% 65.29
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) 10.57 20.86 0.00% 61.57
K0842 四肢切断術(下腿) 16.14 41.00 0.00% 82.14

(解説)
当科で行うブラッドアクセス手術の対象症例では複数回の手術で困難症例が多く、周術期管理を厳密に行うために基本的には入院管理を行っております。
難治性褥瘡潰瘍に対する筋皮弁術や深達性熱傷に対する全層植皮術などが多くみられました。
下肢の慢性創傷では、歩行を目的とし、骨露出を伴う皮膚潰瘍に対しては荷重に耐えうる皮膚再建を目的とした遊離皮弁術も積極的に行いました。術後創部の安定を図りながら歩行訓練のためのリハビリを行うため、比較的入院が長期化しております。
また、重症下肢虚血症例では救命、早期社会復帰を目的とした四肢の大切断も増加傾向にあります。下肢静脈瘤に対しては抜去切除術を主に行っておりますが、レーザー焼灼による治療も開始予定となっております。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 393 1.01 1.02 0.00% 75.52
K259 角膜移植術 37 1.97 8.89 0.00% 71.24
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) 34 0.06 1.09 0.00% 65.88
K274 前房、虹彩内異物除去術 0.33 1.00 0.00% 87.67
K269 虹彩整復・瞳孔形成術 0.67 4.00 0.00% 83.33

(解説)
眼科の入院の多くは手術目的となります。
最も多い症例は白内障手術で、全症例数の8割を占めます。入院治療は片目あたり2泊3日で行なっており、必要に応じて全身麻酔も行なっております。
また、当眼科は角膜移植治療を積極的に行なっており、前眼部疾患に関して沖縄県の中核的施設として琉球大学医学部附属病院をはじめ、沖縄県下の総合病院や眼科クリニックより紹介を受け治療を行なっております。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) 27 0.93 8.78 0.00 76.56
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 0.33 50.44 11.11% 74.11
K0004 創傷処理(筋肉、臓器に達しない)(長径5cm未満) 0.00 0.00 0.00 88.13
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) 0.50 19.75 0.00 78.50
K178-4 経皮的脳血栓回収術 0.00 24.67 0.00 75.00

(解説)
慢性硬膜下血腫の手術は局所麻酔下、20分程度で終了する比較的容易な手術ですが、時に再発を繰り返す難しい症例があります。当院では血管内治療により中大脳動脈閉塞術を行い良い成績を上げております。
くも膜下出血に対しては開頭手術、血管内手術を行っておりますが、患者さんの負担が軽い血管内手術を優先しております。
急性期脳梗塞に対しては通常の治療に加えて、t-PA治療、血栓回収術も可能です。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 34 2.00 6.79 0.00% 33.65
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 24 1.21 4.08 0.00% 37.04
K877 子宮全摘術 22 0.95 7.59 0.00% 50.45
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 18 1.00 7.00 0.00% 34.39
K867 子宮頸部(腟部)切除術 18 1.00 1.17 0.00% 44.39

(解説)
1番目と4番目に多い手術症例は既往帝王切開や骨盤位で予定を決めて行う選択帝王切開と分娩中の胎児機能不全や分娩停止による緊急帝王切開です。当科では24時間体制で緊急手術に対応しております。
子宮附属器腫瘍手術は主に卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術で腫大卵巣腫瘍部のみ核出し、また切開創部が数mmと小さいため術後の疼痛が緩和され、社会復帰も早いのがメリットです。
子宮全摘は主に良性腫瘍である子宮筋腫に対して行われます。筋腫による過多月経、貧血、臓器圧迫による腰痛や頻尿等の症状により手術で改善を図ります。
5番目に多い手術は子宮頸部の異形成(前癌病変)や初期癌等に対する切除と診断を兼ねた子宮頸部(腟部)切除術で円錐切除術と一般に言われている手術です。短期入院で行う手術で社会復帰も早いのが特徴です。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均術前
日数
平均術後
日数
転院率 平均年齢
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 47 2.38 9.02 0.00% 80.81
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 17 2.12 5.06 0.00% 70.59
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) 2.00 3.13 0.00% 63.75
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 3.38 6.38 0.00% 72.00
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他) 1.33 2.17 0.00% 46.33

(解説)
泌尿器科では尿管ステント留置術が最も多い手術となっています。これには新規と定期交換が含まれています。新規の場合は、結石性腎盂腎炎(一部敗血症も含む)に対して緊急で尿管ステント留置しています。定期交換は、施設入所中で寝たきりの高齢者が多く、4-5ヶ月ごとに交換しています。経尿道的膀胱腫瘍切除術に関しては、早期のものであれば退院後外来でのBCG膀胱内注入療法へ移行し、浸潤があれば琉大病院等に紹介し膀胱全摘尿路変更術等依頼しています。膀胱結石に対しては、対外衝撃波結石破砕術の適応がないため経尿道的に破砕施行しています。そのほかには前立腺肥大症に対して経尿道的前立腺切除術を施行しています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 23 0.28
異なる 11 0.13
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 66 0.8
異なる

(項目説明)
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の患者数を症例数とカウントし、全入院患者に対する発症率も同時に掲載した。
発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とし、少数第2位までを表示している。

・指標に示されるそれぞれの用語説明

○DPCコード
病名や医療行為等を数字やxを用いて14桁で表示されるコードのこと。ここでは14桁のうち、病名となる上から6桁を表示しています。したがって、医療行為等は含まれていません。

○播種性血管内凝固症候群
感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。

○敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。

○真菌症
真菌による感染症です。

○手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定の割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。

○入院契機
DPCコードにて分類される主病名とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられます。

○発生率
全入院患者さんのうち、該当の病気で発症した患者さんの割合です。

(解説)
 厚生労働省による平成27年度のDPC対象病院の全国平均では、(上から)「播種性血管内凝固症候群」が0.18%、「敗血症」が0.57%、「その他の真菌感染症」が0.04%、「手術・処置等の合併症」が0.72%でした。
当院の数値は、「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」、「手術・処置等の合併症」の全てにおいて全国平均よりは低い値を示しています。更新履歴2017年9月29日平成28年度 病院情報を公開しました。