ハートライフ病院では、医療の質を示す臨床指標、Quality Indicator(QI)を公開しています。
※各項目にマウスを合わせるとデータラベルを表示することができます。
医療の質 一覧(2022年4月~2023年3月)
外来調査期間:2022年10月24・25日の2日間 回答者数:220名
当院の外来の「満足またはやや満足」の割合は90.5%と、全国平均値(83.7%)より高い状態を維持しています。昨年度と比較し1.9%減少しました。2020年度以降減少しており、頂いたご意見をもとに改善に努めます。新型コロナウイルス感染症の外来治療との併存や、院内における感染対策が続いており、待ち時間が延長したり、スペースが狭くなるなど総じて影響していたのだと思います。「とても親切で丁寧な対応をして頂きました。感謝しています。」や「待ち時間に Wi-Fi が使えるのでありがたいです。」といったお褒めのお言葉を頂きました。その一方で、「コロナで説明の言葉数が少なくなっている。」や「車を停めるのが大変。もっと駐車場があると良い。」、「待ち時間が長い。後どのくらい待てばいいか知りたい。」といった改善に関するご指摘も頂戴しました。
入院調査期間:2022年10月24~29日の6日間 回答者数:99名
当院の入院の「満足またはやや満足」の割合は94.6%と、全国平均値(89.7%)より高い状態を維持しています。昨年度と比較し、2.2%減少しました。2022年度は、新型コロナウイルス感染症の入院治療も併存しており、厳格な感染対策や面会制限、入院延期などで、平時と比べて入院患者さんに多くの不便をおかけすることとなりました。とりわけオミクロン株の大流行に伴う医療従事者の多数休職などにより、人員不足から療養環境への目配りが減ってしまったことも要因の一つだと考えています。「ナースや助手の方、リハビリ担当の職員を含めて皆さんとても親切に対応して頂いています。感謝しかありません。」といったお褒めの言葉も頂戴しました。その一方で「大部屋で患者さんのマナーについて貼り紙等によって周知してほしい。」や「病室に時計を設置してほしい。」、「設置されているテレビの角度が見えづらい。」、「CSセットにTENAクリームが含まれていることを後で知りました。写真(パンフレット)にも載っていないので、口頭での案内があれば必要な方も利用できるかと思いました。」といった療養環境に関する改善のご指摘も頂戴しました。
引き続き、皆様からいただいた貴重なご意見を病院内の全部署で共有し、より良い医療環境の提供・サービス向上に取り組んでまいります。今後ともご理解とご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。
このグラフは患者さんが入院中に、何らかの原因で転倒・転落した割合です。
患者さんが転倒・転落に至る原因は、療養環境(建物・部屋の構造など)によるものや、患者さんご本人の疾病・治療・手術の影響によるものなど、原因はさまざまです。グラフはすべての入院患者さんのうち、転倒・転落に至ったインシデント・アクシデント報告件数の割合を原因の別なく示したものです。単位はパーミル(‰)で、「1,000人あたり何人いたか」を示します。
当院の「入院患者の転倒・転落発生率」は1.8‰(1,000人あたり1.8人)と、全国平均値(2.7‰:1,000人あたり2.7人)より低く、昨年度の2.3‰より0.5‰改善しました。
一方で、次のグラフは、転倒・転落した入院患者のうち、転倒・転落が原因で何らかの治療が必要となる「損傷レベル2以上」として報告が上がった件数を、同じく1,000人あたり何人いたか、という割合で示したものです。
当院の損傷レベル2以上の転倒・転落発生率は0.3‰(1,000人あたり1.5人)で、全国平均値(0.7‰:1,000人あたり0.7人)より低く、昨年度の1.5‰より1.2‰改善しました。
昨年度のQIプロジェクトの結果から、「全国の他病院では転倒・転落が発生しても損傷レベル2以上に至らないようにフェイルセーフ(「問題が発生しても、それに伴うリスクを最小限に留める対策」のことを指します)面で安全策を実施している」、「当院では全国と比して、転倒転落が発生すると、治療を要する状態になりやすい」ことが示唆されていました。
そのため、当院では医療安全管理室を中心に、各部門にリンクナースを配置するなどして、2022年度も下記の活動に継続的に取り組んでいます。
自立患者、認知機能低下・せん妄など事象発生時の患者状態を安全管理室として分析しています。その上で、部署の判断と照合し、要因と対策の適性を話し合っています。
発生時間、排泄に関連しているかなど患者行動を分析しています。分析から、事前のトイレ誘導など転倒防止策について検討する場を部署と設けています。
看護部を中心に転倒、転落事象低減を目標に環境管理強化に取り組んでいます。
高齢化に伴い、履物選択指導を継続しています。高齢化に伴い事象レベルが高くなる傾向もあり、継続して転倒転落防止における教育を行なっていきます。
今回、転倒・転落発生率が昨年度より改善(とりわけ、損傷レベル2以上の転倒・転落発生率が大きく改善)したのは、こういった取り組みの成果だと考えており、今後も取り組みを継続します。
当院では、患者さんの転倒・転落を防止するために、転倒・転落を含め、インシデント・アクシデントが発生したらすぐに医療安全システム(インシデント・アクシデント報告システム)に報告入力し、原因を分析して改善する流れに力を入れています。
近年、脳卒中患者における急性期リハビリテーションの有効性が明らかになっています。脳梗塞では、急性期治療を行いつつ、できるだけ早期にリハビリを開始することで、ADL(日常生活動作・活動)機能の早期回復や低下抑制につながることがわかっています。
当院の「脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者の割合」は、91.8%で、全国平均値より高い状態を維持しています。2022年10月に脳梗塞を含む脳血管疾患の診療体制に変更が生じたため、2022Q3(2022年10月~12月)において一時的に早期リハビリ実施割合が減少していましたが、その後は回復しています。