ありんくりん Vol.2 「この夏を乗り切ろう!」
この夏を乗り切ろう!
監修 糖尿病専門医 小原 正也
この夏を乗り切ろう!
ハートライフクリニック院長 山本 壽一
血糖値が高いと、神経・眼・腎臓、の合併症のリスクになります。それ以外にも、免疫力の低下、傷が治りにくい、血が固まりやすい、などの症状もあり、新型コロナ感染の重症化リスクが高くなります。私たちの調査では、夏の血糖悪化原因は、ビーチパリィ―や旧盆などの食事が伴うイベント時でした。
もう一つ調査からわかったことは、事前に外食など危険な状況を想定して予防方法を考えておくと、血糖値を悪化させずに乗り切ることができました。
皆様、血糖もコロナも備えあれば憂いなし。しっかりと対策を立てて夏を乗り切りましょう。
ハートライフクリニック 糖尿病内科 小原 正也
令和2年5月13日。新型コロナウィルスが未来ある若い力士(享年28歳)の命を奪いました。彼は2型糖尿病の患者さんでした。
糖尿病は、新型コロナによる死亡リスクを増やすと言われています。しかし、血糖が良い人(空腹時血糖値70-180mg/dL)は悪い人に比べて、なんと死亡率が約1/10!と少ないことから、『コロナに負けるな!』ということで、今こそ、我々に血糖改善のお手伝いをさせて下さい!
また、無症状の新型コロナ感染によって血栓症が増加することが判っており、自分が、もしかするとコロナに感染したかも。。。
と否定できない現状において、この未知のウィルスに対して、例年より意識してこまめな水分補給(清涼飲料水を除く)を心掛けて下さい!
熱中症と予防
看護師 殿内 雪野
熱中症とは…熱によっておこるさまざまな体の不調のことをいいます。暑さによって体温調節機能が乱れたり、体内の水分量・塩分量のバランスが崩れたりすることが原因です。
糖尿病を持つ人が熱中症になりやすい理由は、
①血糖コントロールが悪いと血管や神経が損傷を受けやすいので汗腺の働きが悪くなり、汗がかきずらくなり、効果的に体を冷やすことができにくくなります。
②血糖が高いと尿に糖とともに水分が出やすくなります。
③尿に糖を排出するお薬を服用中の方は脱水になりやすいため、熱中症に注意が必要です。
夏のマスク
知らないうちに脱水が進み
熱中症になるリスクが高まる
・マスクは体内に熱がこもりやすい
・マスク内の湿度が上がり
喉の渇きを感じにくくなる
・筋肉量が減ると保持できる水分量が減る
熱中症の予防
①こまめに水分補給をする
②エアコン・扇風機を上手に使用する
③シャワーやタオルで身体を冷やす
④部屋の温度を測る
⑤暑い時は無理をしない
⑥涼しい服装にする。外出時には日傘・帽子を着用する
⑦アルコールの飲みすぎに注意する。
⑧緊急時・困ったときの連絡先を確認する。
⑨部屋の風通しをよくする。
職の夏バテ対策で免疫力を落とさない体作り
管理栄養士 只野 みね子
夏バテすると、そうめんだけ…などと栄養が炭水化物に偏ってしまい、様々な栄養素不足を起こし、免疫力が落ちてしまう可能性があります。
夏に不足しがちな栄養素
- たんぱく質
- ビタミン・ミネラル・食物繊維
そこでオススメ食材!
①良質なたんぱく質とビタミンも補給できる赤身の豚肉
②免疫力に役立つn-3系脂質を含む鯖
③効率よくミネラル補給できる海藻類、生野菜④食物繊維が豊富なコンニャク
夏を乗り切るレシピ!塩分・砂糖控えめピクルス
【材料】
●お好きな野菜(キュウリ・大根・人参・オクラなど)とコンニャクなど…あわせて450g~500g
★酢…220ml
★水…80ml
★低カロリー甘味料20g
★コショウ…少々
★鷹の爪…少々
★ローリエ2枚
【作り方】
①野菜を一口大に切る。
②★を混ぜ合わせ、鍋でひと煮立ちさせる。
③保存容器に①と②を入れ、荒熱をとる。冷蔵庫で一晩寝かせたら完成!
アレンジレシピ編~冷製ラビゴットソース~
①上記のピクルスをみじん切りにする。
②①と漬け汁少々、角切りのトマトと塩少々、オリーブオイル少々と合わせるとソースの完成!
③焼き鯖や鶏肉に②をかけてお召し上がりください。
食に困ったらヘルシーカフェオハナをご利用ください!管理栄養士が考えたバランス食弁当・ランチを味わってみませんか?食事療法お役立ち商品も取り揃えています!
運動のお話し!マスクをしたままの運動は?
・マスクをして運動をすると冷たい空気で肺を冷やすことができなくなり、体に熱がこもりがちになるので熱中症の危険性が高まります。
・マスク着用での運動は呼吸が苦しくなりますので、ご自身で感じる運動の強さを「すこし楽である」程度に調整してください。
そこで!自宅で簡単いつでもどこでもヘアゴムエクササイズで鍛えよう!
ももの前
ももの付け根
汗をかきやすい時期は脱水に注意!
薬剤師 小波津 尚恵
SGLT-2阻害薬は尿に余分な糖を出して、血糖値を下げる新しい糖尿病薬です。
糖と一緒に水分も出てしまうため、尿量が増えるのが特徴です。暑い時期には脱水を引き起こしやすいお薬なので、とくに高齢者や利尿剤を併用している方はこまめな水分補給をしてください。
薬剤名
スーグラ・ジャディアンス・カナグル・フォシーガ・アプルウェイ・デベルザ・ルセフィ
SGLT-2阻害剤が入っている(合剤)、スージャヌ・カナリア・トラディアンス
熱に弱いインスリン製剤
30℃を超えない保管の工夫には、以下のような方法があります。
冷蔵庫で冷やした保冷剤をタオルで包みインスリンと一緒に保冷バッグに入れる。(※ 冷凍庫で冷やした保冷剤は凍結させてしまう恐れがあります)
- 保冷剤の用意がない場合は、冷たい飲み物のペットボトルをインスリンと一緒にバッグに入れる
- ポリ袋に入れたインスリンを湿らせたフェイスタオルで包み、気化熱を利用して保冷する。
- ただし、これらの方法は、どのような状況下でもインスリン製剤を30℃以下にたもてるということではありません。
直射日光には当てない、屋内であっても風通しの良いところに置く、などの基本的な注意事項を合わせて守っていただくようお願い致します。
この夏を乗り切ろう!
沖縄県糖尿病療養指導士 歯科衛生士 幸喜
普段飲んでいる飲み物の中には歯が溶けやすい飲み物があります。
虫歯でなくても歯が溶けることをご存じですか?それは「酸蝕歯(さんしょくし)」。酸性の飲み物や食べ物が原因でエナメル質が溶けて穴が開き、知覚過敏や虫歯のような痛みも引き起こします。
酸性やアルカリ性を示すpHは7が中性で、歯のエナメル質が溶けはじめるのがpH5.5です。
よってそれよりも酸性の食品を摂るときはご用心。
黒酢飲料、スポーツドリンク、オレンジジュースなどはpH3~4、コーラ飲料ではpH2.2、グレープフルーツはpH3.2程度です。最初から酸性で、phが低く、砂糖が多量に入った清涼飲料水は、いかに恐ろしいかがわかります。
清涼飲料水は、その糖分を大量に含む為、 大量の酸が作られ、虫歯が出来てしまします。上手に水分補給しましょう。
こんな時だから知っておきたい。メンタルヘルスの基本
臨床心理士 西 珠美
「コロナ疲れ」や「やーぐまい疲れ」していませんか?
ストレスに対処するための3ステップ
1.「ストレスを感じている」ことに気づく
ストレスは気持ち・身体・行動の変化として現れます。「今までと違うな?」と感じることには要注意!
2.ストレスの原因を知る
「なんでストレスがあるのかな?」と少し立ち止まって考えてみてください。原因がいくつかある時もあります。人によって、ストレスの感じやすさや感じるポイント、ストレスの原因に反応するかどうかも違ってきます。
3.ストレスとの付き合い方を考える
自分で解決できることは問題を解決し、解決できないことは見方を変えてみてください。感情の負担が大きいものは悲しみや怒りを外に出し、時間が解決するものは気晴らしをしたりストレスの原因を避けるのも1つの方法です。