肺癌の生存率 2018年

対象期間 2011年1月1日~2017年12月31日
観察終了日 2018年8月31日
予後調査 来院情報
他施設照会
衛生環境研究所からの予後情報
生存率算出方法 カプランマイヤー法(実測生存率)

 

全症例数 119名
男:85名 女:34名
男女比 2.5:1
平均年齢 80.1歳
Stage判明率 100%
消息不明数 1名
消息判明率 99.1%

 

病期別 症例数 死亡数 3年生存率 5年生存率
10 9 - -
7 6 0.0% 0.0%
24 22 - -
78 75 0.0% 0.0%
全症例 Ⅰ~Ⅳ 119 112 0.0% 0.0%

 

【解説】

肺癌病期Ⅰ期死亡者9名は、原疾患2名、他疾患0名、死因不明7名。

Ⅱ期死亡者6名は、原疾患3名、他疾患0名、死因不明3名。

Ⅲ期死亡者22名は、原疾患11名、他疾患1名、死因不明10名。

Ⅳ期死亡者75名は、原疾患54名、他疾患6名、死因不明15名となっております。

 

①肺癌の男女別年齢階級グラフ

【解説】

2017年の我が国における悪性腫瘍死亡率の中で、肺癌が占める割合は、男性1位、女性2位、男女計1位で、最も難治性の高い癌といえます。

年齢別に罹患数を見てみますと、50歳代後半から増加し始め、男性では80歳代前半が最も多く、次いで80歳代後半となっております。女性では、70歳代後半が最も多く、平均年齢80.1歳で高齢になるほど多くなります。

 

②肺癌の男女割合

【解説】

肺癌の罹患数は、男性85名、女性34名と男性の方が女性より高く、男女比2.5:1となっております。

全国的にも男性は女性の2倍以上になっております。

 

③肺癌の病期別(ステージ別)症例数

【解説】

肺癌は早期ではほぼ無症状であることが多く、検診によって早期発見することができます。症状の進行とともに咳・痰・血痰・発熱・呼吸困難・胸痛などの呼吸器症状が現れます。

癌の進行の程度は病期(ステージ)で分類し、治療方法は、癌の進行の程度や、体の状態などから検討します。

当院では遠隔転移のあるⅣ期が1番多く119件中78件、全体の66%を占めております。当院は、現在肺癌の手術を行っていないことから、手術可能なⅠ~ⅢA期の患者さんは診断のみで他施設へ紹介するケースが多い為、今回の対象者から除外されており、件数が少なくなっております。

 

④肺癌(病期別)のカプランマイヤー(生存曲線)

【解説】

肺癌の生存率を見てみますと、Ⅰ期とⅢ期の患者さんは、診断より36ヶ月経過されている方がいないため、途中で切れた曲線となっております。Ⅱ期、Ⅳ期とも3年生存率、5年生存率は0%となりました。

他の癌と比べて肺癌は治療が難しく予後の悪い癌だということが解ります。

また当院は地域の特色として高齢者が多く比較的早期で肺癌が見つかった場合でも患者さんの状態や本人、ご家族の意志を尊重し、積極的な治療は選択されないことがあります。

また、③肺癌の病期別(ステージ別)症例数での解説でも述べておりますが、手術可能なⅠ~ⅢA期の患者さんは、当院で肺癌の手術を行っていないことから、他施設へ紹介するケースが多い為、今回の対象者からは除外されています。したがって、当院でⅠ~ⅢA期に該当している人数は、積極的治療は選択されず、当院で経過観察となった方が対象となっています。

 

⑤肺癌(全体) 全体のカプランマイヤー(生存曲線)

【肺癌について】

肺癌とは?

肺癌は、肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものです。肺癌は喫煙との関係が非常に深いがんですが、タバコを吸わない人でも発症することがあります。周囲に流れるタバコの煙を吸う受動喫煙により発症リスクが高まることもわかっています。

近年、肺癌は日本人の癌による死亡原因のトップとなりましたが、まだ増加する傾向にあります。

 

肺癌の症状

肺癌の一般的な症状としては、なかなか治りにくい咳、血痰、胸痛、呼吸器時のぜーぜー音(喘鳴)、息切れ、声のかれ(嗄声)、軽度の発熱、顔や首のむくみなどがありますが、必ずしも肺癌特有のものではありません。

肺癌の検査

肺癌の検診方法として“効果がある”とされているのは「胸部X線検査」です。また、肺癌が疑われるときには、胸のX線検査や喀痰細胞診、血液検査、胸部CT、腫瘍マーカー、気管支鏡検査などを行います。必要に応じて胸水検査、経皮的肺穿刺・生検、脳のMRI、腹部CTや超音波(エコー)検査、骨シンチグラフィー、PETなどを行うこともあります。

肺癌の治療

肺癌の治療は、肺癌の分類(非小細胞肺がんと小細胞肺がん)と病期(ステージ)に基づいて治療法が決まります。非小細胞肺癌には、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌等が含まれます。

肺癌の分類、病期によって、手術、放射線、薬物療法(抗がん剤治療)、を行いますが、現在、当院では手術、放射線治療を行っておりません。

小細胞肺癌は、診断された時点で転移がみられることが多い一方で、非小細胞肺癌に比べて抗がん剤治療の効果が高いため、抗がん剤治療が中心になります。

肺癌の予防法

肺癌の最大の原因は、喫煙習慣です。たばこに含まれる多くの有害物質が発がんリスクを高めています。喫煙者本人だけでなく、受動喫煙が発がんリスクを高めることも要注意です。

また、アスベストについては過去にアスベストを扱う職業で、アスベストが空中を舞うような環境で行っていたかが重要になります。現在の環境ではアスベストによる肺がんの発症は考えにくく、過去の作業を行ってから30年から40年経つと潜伏期間が終わり発症すると考えられています。