スポーツ関節鏡センター膝関節疾患の治療について

スポーツ関節鏡センター膝関節疾患の治療について

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慢性疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは膝関節の軟骨がすり減ってきて、痛み・変形をきたす疾患であり、日本全国で約2,500~3,000万人にも達するともいわれる国民病となっています。保存的治療(内服・関節注射・リハビリ等)で痛みを取り除くことが困難な場合に、手術的治療が適応となります。手術方法には次の3種類の方法があります。

関節鏡視下手術
関節鏡視下手術(図1)は膝関節内を内視鏡を使って綺麗にする(掃除する)手術方法です。数か所の穴を開けて内視鏡下で行う手術なので低侵襲で術後の回復は早いです。しかし、関節軟骨がすり減って痛みの原因となっている場合、痛みを取り除く効果はあまり期待出来ません。hiza2

膝周囲骨切り術
膝周囲骨切り術(図2)は関節を温存する手術で近年全国的に増加傾向にある手術方法です。主にO脚の方に対し、骨を切りX脚へと矯正する方法となります。骨を切ってプレートで固定するため、骨癒合までに時間を要するため人工関節・関節鏡視下手術と比較して回復までに時間を要する事が欠点です。ただし、骨癒合が得られれば激しいスポーツ活動への復帰も期待できる手術であり、長期的にみるとスポーツ活動を好む患者さん、年齢が若い患者さんには良い適応となります。2018年は当院において骨切り術を37例行っております。この術式を県民の皆様に知って頂こうと、市民講座を開催し広くPRしております。

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人工関節全置換術・単顆置換術
この手術は、軟骨がすり減って骨が露出した部位を切除し人工関節に置換する手術(図3)です。痛みを取り除くことを目的とした手術では、主に高齢者が良い適応となります。O脚の綺麗な矯正が得られます。大きなインプラントが入るため、術後激しいスポーツには不向きですが、旅行に行きたい人や日常生活を膝の痛みが無く過ごしたい方、ウォーキングをしたい方等に行っています。変形が軽度な方に対しては、全置換術ではなく、部分的に内側のみを置換する単顆置換術を選択して行っております。

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反復性・習慣性膝蓋骨脱臼
反復性・習慣性膝蓋骨脱臼とは膝蓋骨(膝のお皿)が脱臼する疾患で、若年者に多く、外傷を契機に発症する事が多い疾患です。膝に不安感をもつ症例に対して靱帯再建術や、脛骨粗面内方移動術等を行っております。

 

外傷性疾患

膝前十字靭帯損傷に対する解剖学的二重束前十字靭帯再建術

膝前十字靭帯損傷は主に10~20代に多いスポーツ外傷で、膝の真ん中にある前十字靭帯を損傷してしまい、膝に不安定感が残存する状態です。保存的治療ではスポーツ復帰が困難であるため、患者さん自らの膝屈筋腱を採取し、それを移植して靱帯を再建します(図4)。術後リハビリ治療を行い、8~12カ月でのスポーツ活動復帰を目指します。当院では年間50~60例の手術を行っております。

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半月板損傷
スポーツ活動での内側・外側半月板損傷に対して関節鏡視下半月板縫合術(図5)を行っております。他の病院で行っていない工夫としましては、患者さん自らの静脈血を採取し、フィブリンクロットと呼ばれる血餅(血液が凝固してできる血球が主体の塊)を作成し、関節鏡視下で断裂部に誘導し、治癒能力を高める手技を行っております。術後4~6カ月でのスポーツ活動復帰を目指します。

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離断性骨軟骨炎
スポーツ活動等で、関節軟骨が母床となる骨から離断し痛みの原因となる疾患です。画像診断にてステージ分類を行い、関節鏡視下でドリリング・骨軟骨移植術を行い、関節内の遊離体を摘出します(図6)。

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スポーツ関節鏡センターでは、痛みのためスポーツ活動が出来なくなった患者さんに対して、リハビリテーションによる治療、手術的治療を各症例に対して選択し行っております。リハビリスタッフも膝チームを専門的に配属しており、質の高い治療を提供出来るようにスタッフ一同日々努力しております。

 

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