医療安全管理室 専任看護師
玉城 秀美
医療安全管理者の役割は、トラブル報告の集 計・分析・対策立案・フィードバック・評価が あります。それらの結果をふまえて、部署間の 調整、医療安全管理指針やマニュアルの作成、 職員教育などを行います。また、報告を受ける だけではなく各医療現場の巡回・評価を行った り院内外からの情報収集も行い、現場に対策案 を提示したりします。 また、万一医療事故が発生した際には、発生 時の対応も行います。事故発生時に医療現場で 迅速な対応が行えるように様々な手順も定めら れています。医療事故に遭われた患者さんやそ のご家族への対応も行っていて、その際は患者 さんの立場に立って病院との対話を促進する 「メディエーター」が対応に加わることもあり ます。でも、この時は事故が起こってしまった と言うことですから、この業務が発生しない様 にしたいですね。
セーフマスターという安全報告・管理のシス テムを使用しています。毎日確認をして、報告 があれば内容の確認・現場の確認・分析を行い ます。トラブル報告はレベル0、1、2a、2b… 5 まで8段階で報告されますが現在、医療安全 管理室ではレベル0から現場に出向いていま す。レベル0は「当該行為が患者に実施され る前に気付いた」というインシデント※ 1 です。 すぐに現場に行く理由は、ミスを早い段階で解 決したいからです。小さな危険の芽を摘むこと が、大事故の防止につながると考えています。 実際に報告があった場合は、先ほども言った ように分析を行います。分析は、関連部署を招 集して行うことも多いですね。実際の業務内容 を調査した上で、部門間の調整を行ったりしま す。分析結果をまとめたものを、事故防止策と して現場にフィードバックします。フィード バック後には、防止策が実施されているのか? 防止策は有効に機能しているのか?を継続調査 します。一度対策が取られた事故に関して、そ れだけで終わりではなく対策内容は常に検討し 更新されていきます。 このような活動を、月次報告としてまとめて レベル0から2bまでを「インシデントレポート」、3a~5を「アクシデント※2レポート」として報告していて、3b以上のものは院長まで速やかに報告があがる仕組みになっています。3a~5は、患者さんに対して何らかの影響が発生した、つまり実際の事故が起こったことを意味していて数字が大きくなるほど重大な事故を意味します。 ミス報告がないときもあります。そのときは、あえて現場を回るようにしていますね。そうすることで、現場の空気をみられるから。安全管理室の顔を売るのも含めて(笑)
危険予知トレーニング(KYT)を、医療安全管理室が主体になって行っています。当初は毎月1回行っていましたが、トレーニングの効果が浸透してきましたので、現在は2ヶ月に1回行っています。 報告を受けて作成されたマニュアル通りに業務を行うだけでなく、日常業務に潜む危険を発見できる技術を身につける目的で座学のほかに実際に起こった事例を使った「事前に予知できたことは何か」、「予知したことを基にどのような対策がとられるのか」などの実践トレーニングも行っています。 危険予知トレーニングは、職種に関係なく全ての職員を対象に行っているのですが、これは医療事故だけでなく日常行動の中にも多くの危険が潜んでいて、それは未然に防げることが多いからです。
どんなに対策を取っても、小さなミスが0になることはないと思います。0になるのが理想ですが…。 でも、ミスが小さい内に対策を取ることは可能です。その結果、大きな事故を未然に防ぐ事ができると考えています。重大な医療事故が0になるように、日頃の安全管理や職員教育に力を入れていきたいと思います。 あと、患者さんやご家族にもご協力をお願いしたいですね。お気づきの点や不安に感じたことがあれば直接でも投書でも結構ですので、ぜひお知らせ頂きたいと思います。分からないことがあるときも、どうぞご遠慮なく質問して頂きたいです。お互いに中身が分かった状態で治療を行うことが医療の安全にも質の向上にもつながりますから。