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早期食道がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の治療成績について(後編)

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合併症
穿孔 2例
縦隔気腫 2例
気胸 1例
食道狭窄 2例
大腿筋壊死 1例
SpO2の低下 2例

穿孔2例、縦隔気腫2例、気胸1例を生じました。手術移行例や死亡例は無く、全例内科的治療で治癒しました。しかし、退院が1-3週間延長しました。3/4周以上の切除となった2例で食道狭窄をきたしましたが拡張術で改善しました。長時間左側臥位をとった1例で大腿筋壊死を生じましたが機能障害を生じず治癒しました。合併症例は全例改善し、術前と同様な生活を送っています。今後は合併症を皆無にすべく努力しなくてはなりません。穿孔をおこしたらクリッピングが行えると治癒が早いです。

食道穿孔症例

一括切除症例:60歳代、男性

症例 60歳代、男性
主訴 なし
現病歴 平成16年近医の人間ドックで内視鏡検査をうけ、食道癌の 診断を受けた。EMR(内視鏡的粘膜切除術)を行うも、一部しかとれず、放射線治療を勧められた。セカンドオピニオンを求めて他医を受診し当院へ紹介となる。

穿孔をおこした症例

側方断端(+)に対して

深部断端(+)に対して

食道狭窄の防止

早期食道癌治療後の摂食状況

      レーザー     非開胸食道抜去術     ESD    
  <50% 0 0 0
50<  <70% 0 2 0
70<  <90% 0 6 0
90<  <100% 9 0 17

ESDの手技に習熟するには

ESD の習熟、Hookナイフの習熟には小さい粘膜下筋腫など良性病変にESDを行うことが有用でありました。

顆粒細胞腫の症例

まとめ

  1. ESDは病変が一括切除でき病理組織学的検討 には優れていました。
  2. 治療成績も良好で全例 癌の再発はありませんでした。術後全例術前と同様な摂食量で良好なQOLでありました。
  3. 合併症はあるものの機能障害を残すような合併症はありませんでした。今後合併症の防止に努力する必要があります。
  4. 手技の熟練には時間を要し、熟達者の見学と同時に最初は小さい病変や良性病変に行うことが大事と考えられました。

無症状で見つかった早期がん

粘膜癌で発見されるために

  1. 粘膜癌のほとんどは無症状です。
  2. 年一回 内視鏡検査を受けましょう。
  3. 食道癌のハイリスクグループであるヘビースモーカーや大酒家、食道アカラシア、頭頚部癌の方では積極的にヨード染色を行ってもらいましょう。ヨード染色では目に見えない癌も発見できます。